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  1. 東京都議会 1993-03-03
    1993-03-03 平成5年_第1回定例会(第3号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時五分開議 ◯議長(小林かんじ君) これより本日の会議を開きます。       ━━━━━━━━ ◯議長(小林かんじ君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。       ━━━━━━━━ ◯議長(小林かんじ君) 昨日に引き続き、質問を行います。  四十六番清原錬太郎君。    〔四十六番清原錬太郎君登壇〕 ◯四十六番(清原錬太郎君) 私は、現下の緊急課題である景気対策を初めとして、相続税等、正さなければならない不公平税制の是正、また、余りにも差の大きい実勢価格と公示価格との格差是正の問題を中心としながら質問いたします。  まず初めに、景気対策について伺います。  二月に発表された労働経済局の資料によれば、平成四年の都内における負債額一千万円以上の企業倒産件数は、前年比五三・一%増の三千五百十三件と、過去最高を記録したとのことであります。また、百貨店の売上高も減少しております。  都においては、景気浮揚を図るため、平成五年度予算において、国を上回る五・三%の伸びを確保するとともに、中小企業対策として、去る二月十五日から第三次の緊急特別融資等を実施されたことに対し、評価いたします。  しかし、先行きは、まだ不透明な状況にあります。国においては、自民党が十兆円規模の大型総合経済対策を組み、政府に対して、補正予算を編成し、今通常国会の会期内成立を求めると聞いております。都としても、景気浮揚に向けての対策を行う必要があります。公共事業の前倒し施行を実施すべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、中小企業対策について伺います。  都は、三次にわたる景気対策を講じられましたことは、高く評価いたします。特に緊急特別資金融資については、過去二回の申し込みが二万一千件、四千六百億円を超えたことから見ても、都内中小企業者が厳しい経営環境にあることがわかります。特に最近は、土地の評価額の減少に加えて、保証能力が減退していることもあって、融資の相談を金融機関に持っていっても、快く相談に乗ってもらえず、本当に困っている人にとって、制度融資を利用したくともできないという切実な声が聞こえてまいります。  都においては、都内中小企業の担保余力の下落を補うために、都の信用保証制度の中で、無担保無保証人の融資制度について一層充実を図るとともに、金融機関に対し、前向きに融資するよう指導を強化すべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、商店街対策についてであります。  現在、私たちがなれ親しんでいる東京の商店街約二千八百には、商店街振興組合など法人化された商店街と、法人化されていない、いわゆる未組織の商店街があります。それぞれ、私たちの日常生活に欠くことのできない商品を供給してくれています。  法人化された商店街に対しては、これまでも、商業振興のため活性化が図られておりますが、現在の厳しい経営環境の中にあっては、より施策の充実を図るべきだと考えます。一方、都内の商店街の八五%を占める未組織商店街は、比較的規模の小さい商店街であり、これまでも対策は講じられていますが、このようなときにこそ未組織商店街への支援は欠くことができないと思います。  商店街に対してどのような支援をされていくのか、お伺いいたします。
     私は、中小企業対策について、何回か強く訴えてまいりました。しかし、町の商店に対して、また町工場に対して都ができるのは、融資対策の拡充であり、また商店街の活性化のための助成が主だと思います。  現在、都心の商店街を見たとき、くしの歯を抜いたように空き地が点々とあるため、商店街としての形をなさなくなりつつあります。また、仕事が半減している町工場は、このままでは次々とつぶれてしまいます。  そこで、私は何回も繰り返しておりますが、事業者に対しての相続税、すなわち事業承継税制を農家並みに納税猶予制度とすることの必要性が、今日ほど大きく望まれるときはないと思いますので、緊急中小企業対策の一つとしてこれを取り上げ、農家並み事業承継税制の確立を国に強く提言してもらいたいと思うが、いかがでございましょう。  次に、景気の低迷とまちづくりについてお尋ねいたします。  昨今、長引く景気後退の影響を受け、都内の至るところでビルに空き室が出て、賃料も大幅に下落しております。一説によると、二十三区内では、霞が関ビル十棟分以上の空き室があるといわれています。私の地元、港区の中でもこの傾向は著しく、入居していた企業が、業績の悪化や規模の縮小によって撤退したり、借りる床を縮小したりしています。そうなりますと、そこの企業や従業員をお得意としていた地域の商店や小規模な企業は、売り上げが大きく減少し、経営上深刻な問題が生じております。  最近の新聞によると、景気の回復ピッチが鈍いと、空き室率のピークは一〇%に近づくであろうとの報道もなされております。事務所ビルの新規供給の勢いは、今もなおとまりません。現在よりも状況は悪化して、地域の活性化にとってさらに深刻な状況が生じてくると懸念されるのであります。  そこでまず、区部及び都心部における事務所床の需要と供給の現状及びその見通しについて、都はどのように把握しておられるのか伺います。  次に、事務所ビルの過剰供給に対する対策について、将来の都市構造を適切に誘導していくためには、長期的な視野に立って、業務・商業施設の計画的な立地を誘導していくための総合的な構想を作成することが求められていると考えます。この点について、どう取り組もうとしているのか、所見を示していただきたいと思います。  東京が世界の中枢を担う都市であり続けるための臨海副都心開発は、着々と進められています。その中にあって、東京フロンティアは、それなりに意義のあるものだと思います。しかし、私は、東京フロンティアが目的であってはならないと思います。二十一世紀を目前にした今、五十年、百年先を見越した臨海副都心の開発、発展こそが最も大きな目標ではないかと思います。  都知事には、施政方針の中で述べておられるように、高い視野に立って、この不況の中で無理なく事業を推進するため、状況に応じた柔軟な対策を考えながら進めてほしいと思います。また、総事業費で四兆円にも上る臨海副都心の開発が、景気浮揚策として大きな効果が期待されるところであります。臨海副都心開発に当たっての知事のご決意をお伺いいたします。  次に、監視区域制度の見直しについて質問いたします。  現在土地は、公示価格の半値程度でなければ売買が成立しないといわれております。しかも、この価格でもなかなか買い手がつかないのが現状だと思われます。公示価格が実際の取引価格まで下がらないのは、取引の実例が出てこないからだと伺っております。そのため、相続税路線価固定資産税評価額等が高どまりのままの評価であるため、固定資産税の過大な負担が生じたり、相続税の物納を申し出ても断られたり等の事態を引き起こす等、単なる経済問題を超えた大きな社会問題とすらなっております。  今、土地取引の大枠を定めているのは、国土法に基づく監視区域における指導価格であり、これが公示価格等の地価指標に影響していることは明らかであります。監視区域制度が、いわゆるバブルのときに地価抑制に多大に寄与していたことを認めることはやぶさかではありませんが、その役割は終了したというべきであります。現在、監視区域制度が存続することにより、小規模の土地取引も制約されております。それにより冷え切った景気が多方面に波及しているともいわれております。地価指標を実勢価格に近づけ、経済の活性化を図ることこそ緊急の課題だと思います。  都知事は、国に先駆けて監視区域制度を設けました。今回は、都知事の先見性を発揮して、再び国に先駆けて監視区域制度を緩和または撤廃すべきと考えますが、都知事のご所見をお伺いいたします。  次に、相続税並びに固定資産税、都市計画税の負担軽減の問題についてお伺いいたします。  私は、都市と農村における不公平税制を改めるべきだという観点から質問いたします。例えば農家では、子供が跡を継ぎ、孫が継いだ場合、納税猶予が認められ、営農を続ければ、実質上相続税を支払わなくても済みます。それに引きかえ私たちは、親が死ぬと、住んでいる土地を売って税金を支払い、住みなれた土地を離れなければならないのが現状であります。最近では、土地を売りたくても売れず、また、物納したくても国が受け取ってくれないので、困っている人が続出をしております。また新聞報道によると、相続税の負担が重過ぎて、一家心中をした事例も出ております。このような悲惨な状況は、一刻も早く解消すべきであります。こんな不公平な税制をこのままほっておくならば、ほとんどの人は働く意欲を失ってしまうと思います。  私は、数年前からこの問題を取り上げてきました。そこで二、三、私の考えを述べながら、知事の所見をお伺いしたいと思います。  相続税の負担軽減のため、地価が大幅に上昇する前の昭和六十一年の路線価格に凍結して、相続税の評価を行うことも一つの方法であると考えております。しかし、今回は、私の年来の主張である相続税に坪数控除制度を導入すべきだという訴えを、声を大にして訴えたいと思います。私は、長年、都市型税制の確立に取り組み、相続税については、生活に必要な二百平方メートル以下の小規模住宅用地についての坪数控除制度創設など、相続税の負担軽減を訴え続けてまいりました。その結果、昭和六十三年度及び平成四年度の税制改正で、少しずつ成果が上がってきたところでありますが、まだまだ十分とはいえない状況にあります。  相続税については、近年の国税における相続税収の割合の増加を初めとして、相続税による不幸な事例の続出により、ここ一、二年前から多くの人の注目を集め、平成六年度の税制改正においては、全般的に検討する運びになると聞いております。このときこそ、知事は、相続税に坪数控除制度を実現するよう国に強く働きかけていただきたいと思いますが、ご所見をお伺いします。  また、この相続税の坪数控除制度の創設に当たっては、既に基礎控除制度が設けられておりますが、納税者に、金銭による基礎控除をとるか、土地による坪数控除をとるか、いずれかを選択する選択制度を導入することが最も公平と考えますが、この点もあわせてご所見をお伺いいたします。  次に、固定資産税、都市計画税については、平成六年度の評価替えの際、地価公示価格の七割まで引き上げることになりました。その結果、評価が大幅に上がり、それに伴う税負担の急増が心配されます。今回の税制改正において、一定の税負担緩和措置が講じられるとのことであります。しかし、私が本会議等で再三にわたって指摘した最低限必要な小規模住宅用地等については、課税標準の特例措置を思い切って拡大するなどの措置が講じられるものと考えてよいのか、ご所見を伺います。  また、都市計画税に課税標準の特例措置が新たに導入されるものの、都独自で実施している都市計画税の軽減措置を廃止すると、大幅な増税につながることは確実であります。したがって、この都市計画税の減額措置を平成六年度以降も継続すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、住宅問題についてお伺いいたします。  近年における地価の高騰を背景に、港区を初めとする都心区の人口は、著しく減少しております。このような状況にあって、都心区等においては、定住人口の維持、回復のため、住宅対策の推進が至上命題となっているのであります。  そこで、都心区等の定住化のための住宅対策を中心にお伺いいたします。  第一は、公共賃貸住宅の供給促進についてであります。  現在の高地価のもとでは、都心区において、新たに土地を取得して公共住宅を建設することが困難であり、合築方式や建てかえ方式などを活用し、若い世帯も住むことができるような公共住宅の供給拡大を図ることが特に必要であります。また、港区など都心区等が実施している住宅附置義務制度などにより供給される民間賃貸住宅を借り上げ、若い世帯を含む中堅所得者向けの都民住宅や区民住宅として供給することも有効な施策であります。  都は、このような都心区が定住人口の維持、回復のために行っている住宅対策に対し、積極的な支援を行い、都と区が一体となって住宅対策を推進する必要があると考えますが、知事のご決意をお伺いいたします。  第二は、中堅所得者層を対象とする家賃補助制度についてであります。  現在、都心区を初め八区においては、定住化対策の一環として家賃補助制度を実施していますが、これは、家賃負担の軽減と居住水準の向上を図ることにより、中堅所得者層の定住化の促進を図ろうとするものであります。この中堅所得者を対象とする家賃補助制度を都の制度として導入し、都と区が連携を図りながら実行すれば、より一層の効果が期待できると考えますが、所見をお伺いいたします。  第三は、高齢者の住宅対策についてであります。  都市更新が活発な都心区等においては、高齢者が立ち退きを迫られ、しかも、高齢者というだけで住宅を貸してもらえなかったり、あるいは家賃の上昇によって、長年にわたり住みなれた地域で住み続けることが困難な事態が生じております。このような状況に対処するため、多くの区においては、さまざまな高齢者の住宅対策に真剣に取り組んでいるのであります。  都としても、区との連携を図りながら、あらゆる方策を講じて高齢者のための住宅対策の充実強化を図るべきと考えます。所見をお伺いいたして、私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 清原議員の一般質問にお答えいたします。  まず、公共事業の前倒しについてのお尋ねであります。  低迷する景気を早期に回復させ、中小企業を初めとする都内産業の活性化や都民生活の安定を図ることは、現下の緊急課題でございます。平成五年度予算の執行に当たりましては、ご指摘の公共事業の前倒しについて、実施に向け準備を進めるなど、都として景気対策に全力を挙げて取り組んでまいります。  次に、臨海副都心開発の推進についてのお尋ねであります。  臨海副都心開発は、東京の都市構造を多心型に転換するとともに、国際化、情報化にも対応する長期的視点に立ったプロジェクトであり、同時に、現在の厳しい経済環境のもとにあって、景気浮揚にも大きく貢献する、極めて有意義な事業であると考えております。  このような観点から、今後とも社会経済状況の変化に応じて、ご指摘のとおり、柔軟に対策を講じながら、着実に事業を推進してまいります。  次に、監視区域の緩和等についてのお尋ねであります。  国土庁の通達等では、緩和または解除をするに当たっては、監視区域の地価の動向、土地取引の状況等を十分検討することとされ、的確かつ弾力的な運用がなされるべきものとされております。都内の地価は、下落傾向を示しているものの、いまだ高水準にあり、また、いわゆる指導率がかなり高く、小規模面積の土地取引が大部分を占めているのが現状であります。  都としては、今後の地価公示価格、基準地価格及び東京都地価動向調査の結果等を踏まえ、国、区市町村等関係機関と協議しながら、適切に対処してまいります。  次に、相続税についてのお尋ねであります。  相続税における土地評価は、昨年、公的土地評価の均衡化、適正化の観点から、地価公示価格の八割の水準に引き上げられ、これに伴う税負担増を軽減するため、基礎控除額の引き上げ等が図られたところであります。  また、特に都のような地価水準の高い大都市における税負担に配慮して、小規模宅地等の評価額の減額割合を拡大する措置が講じられたところであります。  これは、従来から都議会のご支援を得ながら、国に対して要望してまいりました結果であり、お話の坪数控除と基礎控除との選択制度については、貴重なご提言と受けとめさせていただき、今後とも、大都市における税負担の実態を勘案しながら、相続税の負担軽減措置について国に対し積極的に働きかけてまいります。  次に、固定資産税についてのお尋ねであります。  平成六年度の評価替えに際しては、都民の税負担が急増しないよう、総合的かつ適切な緩和措置の実現を国に対し強く働きかけてきたところであります。この結果、平成五年度の地方税制改正において、お尋ねの小規模住宅用地等については大都市特有の地価実態に即した特例措置が導入されるなど、都の要望がほぼ実現されるものと考えております。  また、都が独自に実施している都市計画税の軽減措置については、現在作業中の平成六年度評価替えの状況等を踏まえ、事前に都議会ともご協議を申し上げた上で、その取り扱いを決定してまいります。  次に、都心区等の住宅対策への支援についてのお尋ねであります。  都心部などの居住人口の維持、回復を目指し、関係各区が公共賃貸住宅の供給を含め多様な住宅施策を展開していることは、都としてもかねてから注目してきておるところであります。  都は、これまでも公営住宅の供給や、地域特別賃貸住宅制度を活用したファミリー向け借り上げ住宅の供給に対し、建設費補助や家賃対策補助を実施するなど、区による公共賃貸住宅の供給の拡大に向け、支援に努めてきたところであります。今後とも、関係各区との連携をさらに強化し、地域の実情に応じた施策を積極的に推進してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) 事務所床の需要と供給の現状と、その見通しについてのお尋ねでございます。  ご指摘のとおり、最近の景気後退によりまして、区部における事務所床の需要が低迷し、ここ数年間続いた毎年三百ヘクタール前後の供給との間に乖離が生じております。その結果、空室率も上昇し、民間調査機関の資料によりますと、平成四年十二月現在、区部平均では五・九%となっております。今後も、当面はこのような傾向が続くものと考えられますが、事務系就業人口の増加や、一人当たり床面積の拡大等もあり、事務所床につきましては長期的には根強い潜在的な需要があるものと見込まれます。  次に、業務・商業施設立地の総合的な構想についてのお尋ねでございます。  望ましい都市の形成に向けて、着実にまちづくりを推進していくためには、ご指摘のように業務・商業施設の立地を計画的に誘導、規制していくことが必要であると認識をしております。現在、そのためのガイドラインとなります業務商業施設マスタープランの策定に向けまして鋭意検討を行っており、早期に中間的な報告を取りまとめる予定でございます。今後、平成六年半ばのマスタープランの策定に向けまして、関係区市等の意見も踏まえ、さらに検討を進めてまいりたいと存じます。    〔労働経済局長井上修一郎君登壇〕 ◯労働経済局長(井上修一郎君) お答えを申し上げます。  まず、都の制度融資の充実等についてのお尋ねでございます。  景気の低迷や、担保価値の低下する中で、中小企業が融資を受けやすくするためには、都の制度融資と密接なかかわりのある信用保険限度額の引き上げが必要であると考え、かねてから国に対し強く要望してまいりました。このたび国においては、昭和六十三年以来据え置かれております信用保険限度額、例えば無担保無保証人保険を、四百五十万円から五百万円に引き上げるなど、信用保険法の改正を行うこととしており、これを機会に都の制度融資につきましても融資限度額を引き上げ、中小企業の資金需要にこたえていく考えでございます。  また、取扱金融機関に対しましては、中小企業の実情に十分配慮し、担保の評価や返済猶予など、きめ細かい対応をするよう強く要請してきたところでございます。今後とも、中小企業の金融動向等を十分見きわめながら、適切に対応してまいりたいと存じます。  次に、商店街の振興策についてのお尋ねでございます。  地域の商店街は、都民に多種多様な商品を提供するとともに、交流とにぎわいの場としての大きな役割を果たしており、その活性化を図ることは重要な課題であると認識をいたしております。  都といたしましては、従来から商店街振興組合等が行う商店街施設整備事業などに助成してきたところでありますが、さらに平成五年度では商店街の情報化推進のための施策の充実を図ったところでございます。  また、都内の大多数を占める未組織商店街に対しましては、法人化への指導を行いますとともに、中小企業振興基金を活用した商店街の施設整備事業等を推進しているところであり、平成五年度においても本年度と同額の助成枠を確保したところでございます。  今後とも、地元商店街や区市等と緊密な連携を図りながら、商店街の活性化に努めてまいりたいと存じます。  次に、事業承継税制についてのお尋ねでございます。  東京の工場や商店が、景気や地価の高騰などにより厳しい状況に置かれているのはお話のとおりでございます。このため、都は現在、土地税制の中小企業の経営に対する影響について調査をしているところであり、国においても中小企業政策の見直しを行っているところであります。  中小企業を取り巻く厳しい状況を打開する緊急な課題の一つが、後継者への円滑な事業承継を図るための事業承継税制の改善にありますことは、中小企業団体からの要望によっても十分承知をいたしております。ご指摘を含め、あらゆる機会をとらえて国に対し引き続き要望してまいりたいと存じます。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) お答え申し上げます。  初めに、中堅所得者を対象とする家賃補助制度についてのお尋ねでございます。  都は、中堅所得者世帯向けの住宅施策として、民間賃貸住宅借り上げ方式による都民住宅や区民住宅等について、地域特別賃貸住宅制度を活用して、家賃対策補助を行うなど、住居費負担の軽減を図るための各種の支援策を講じているところでございます。ご指摘の、都心区等が実施している中堅勤労者世帯向け家賃補助制度については、定住人口の維持、回復を図るとともに、居住水準の向上も目的とする施策と理解をしてございます。  今後の推移と効果等を見守りながら、都と区との施策の連携を含め検討してまいりたいと思います。  次に、高齢者の住宅対策についてのお尋ねでございます。  都は、高齢者住宅対策を住宅政策の重要課題として位置づけ、第三次東京都長期計画に基づき、シルバーピアや老人室つき都営住宅など高齢者世帯向けの多様な住宅の供給を推進するほか、都営住宅の公募に当たっては、高齢者世帯に対して各種の優遇措置を講じております。  また、区市町村に対しても、高齢者世帯向け借り上げ公共住宅の供給や、住宅の取り壊しによる立ち退き要求を受けた高齢者世帯等を対象とする住みかえ家賃助成事業都市更新事業に伴う高齢者等の居住の安定を図る居住継続支援事業などを対象に、都として積極的に助成を行ってきたところでございます。  今後とも、区市町村との連携をより一層強化しながら、高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるよう、住宅対策の充実を図ってまいります。  以上でございます。      ─────────── ◯議長(小林かんじ君) 八十一番片山哲君。    〔八十一番片山哲君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯八十一番(片山哲君) 初めに、調布飛行場、関東村跡地利用についてお伺いいたします。  昨年六月三十日、東京都と調布市の間で協定が結ばれて、改めて供用が開始されました調布離着陸場、いわゆる調布飛行場とそれに隣接する関東村跡地二百ヘクタールの利用計画について、お伺いをするものであります。  最初に、飛行場についてお伺いいたします。  協定別紙で、年間離着陸回数は現行の範囲内とし、削減に努めることという調布市の要望に対して、都は、神津島便の増加分も含め、現状程度を上限とするというふうに約束をしているところであります。飛行回数削減について、協定後いかなる努力をされ、実績を上げているのか、まずお伺いをいたします。  削減を実効あるものとするためには、航空機を他の空港へ移転させることが最も確実な手だてとなるわけでありますが、従来からその候補地として挙がっておりますホンダ、竜ヶ崎や都が考えている島しょ空港への移転について、具体的な調査や働きかけが行われているのか。調布を利用している航空機のうち、約二五%が自家用等の飛行という結果からも、自家用機の移転とその条件整備のために都は積極的な努力を払うべきであります。  また、協定では、飛行場を使用する航空機の重量制限は、離陸重量四・五三トン未満とすることと制限が明記をされているわけですが、現在駐機している航空機の中には、協定を上回る離陸重量のものもあるという指摘もございます。その事実の有無と、どのようなチェック体制で臨んでいるかについて、お伺いいたします。  次に、防音工事についてですけれども、防音工事は、文字どおり毎日航空機騒音に悩まされている近隣住民に対する最も具体的な対策でもあります。都は、WECPNL七〇を基準にしているようですが、騒音などについては数字であらわれた結果と実感のずれが生じることは間々あることであります。また、市民がこの種騒音等の苦情や相談に訪れるのは、通常市役所の窓口であり、市がその都度都にお伺いを立てているようでは困るわけであります。市が、みずからきめ細かな対応ができる措置を講じることが肝要と思いますが、平成五年度の事業計画とあわせて、この点についての見解をお伺いいたします。  二つ目に、関東村跡地利用についてお尋ねをいたします。  関東村跡地には、総合スポーツ施設や公園等の都民利用施設の設置、そして国関係施設の移転も予定されています。これらの計画を早期に取りまとめるためには、土地利用計画の早期策定が重要な問題であります。また、そのためには、この区域に点在する国有地の扱いについても、地元自治体の要望に配慮しながら、都の責任において決着を図っていかなければなりません。とりわけ飛行場という迷惑施設を抱え、さらには市域に下水処理場も建設される調布市の置かれた立場を考慮するならば、国有地のうち市利用分については、地元市の意向を十分配慮して対応すべきものと思いますが、全体の土地利用計画とともに、この国有地の扱いについて、現状と東京都の考え方をお伺いいたします。  また、跡地の整備は、周辺の道路や交通機関に与える影響が大きく、単に跡地内だけで整備を進めるということではなくて、周辺も含めた一体的な整備が必要となってまいります。特に、総合スポーツ施設を初めとする基地跡地施設へのアクセスは、主に京王線飛田給駅から行われることになるわけですが、飛田給駅前広場及び関東村への取りつけ道路については、全体の整備計画の中で都が一体的に整備すべきものと考えますが、いかがでしょうか。  次に、当初計画に盛り込まれております都立体育高校についてお伺いいたします。  私は、この計画が浮上した段階から、体育やスポーツの重要性が、即東京都が体育高校を設置するということにつながることに疑問を呈してきたところでありますが、この機会に改めて計画変更を求めたいと思います。  体育高校の用地として予定されている三・五ヘクタールは、総合スポーツ施設用地の隣接用地であり、この用地と一体的に利用するか、あるいはこれまた隣接をしている福祉施設と関連づけて、市民参加で新たな構想を練り上げる方向に転換されることをこの際求めたいと思いますが、ご見解を伺います。  次に、これも以前から、とりわけその規模について市民の間からも疑問の声が上がっている下水処理場についてお伺いいたします。
     都は、ここに日量五十二万トン規模の処理場を建設し、その処理水を野川に放流することを計画しています。  まず疑問の第一は、どういう根拠に基づいて五十二万トンが算定されたのか。流総計画なるものがその根拠とされているわけですが、その基礎データ自体が過大な想定となっているのではないかとの識者の指摘もあります。五十二万トンという数字がどのように積み上げられた結果なのか、まずご説明をいただきたい。  そして、その対象とされる区域の下水は、関東村以外に処理場を新設するなり、既存の処理場に分散するなりして処理することを検討された経過はあるのかについてもお伺いをいたします。  そもそもこの計画は、大規模施設による一括処理が環境などに及ぼす影響を考慮して規模縮小を図っている近年の全国的な動向にも逆行するものであり、初めに関東村ありきの印象をぬぐい切れないものであります。処理区域の変更なども含めて、この際、規模縮小について改めて検討されることを求めます。ご見解を伺います。  次に、その処理水を野川に放流するということになっておるわけですが、野川の現況をどのように理解しているのか、いささか疑問だといわざるを得ません。この計画は、放流が野川とその周辺にいかなる影響を及ぼすかについて極めて配慮に欠けるもので、改めて、地元自治体はもとより、周辺住民や野川とかかわりを持ったり、関心を持っている人々とじっくり話し合って、計画の練り直しを行うべきと考えます。  私の知る限りでは、下水処理場が完成をした際には、最大時で野川の水位は現在よりも七十センチ上昇するとされています。今はコイなどの背びれがやっと隠れる程度の水量であり、だからこそ、子供たちも安心して川遊びができるわけで、七十センチの水深では、とても小さな子供が水遊びのできる川にはなりません。しかも、今は量は少ないとはいえ、国分寺崖線のあちこちからわき出る湧水を集めて流れる野川が、処理水を多摩川に運ぶための水路に変質するわけで、これは決して小さな変化ではありません。渇水期に、生息する動植物の保護のために通水をするというならともかく、野川の親水性を著しく損ない、生態系にも重大な影響を及ぼす野川一括放流の計画は、速やかに変更されることを強く求めるものであります。  二つ目に、物流拠点の整備についてお伺いいたします。  東京における生産、加工、消費を支える物流は、それが大量に及ぶこと、ほとんどが都心部に集中していることから、物流自身の効率を低下させ、そこに働く者の労働条件を悪化させ、ひいては物価引き上げの一因にもなっているのみならず、環境面からも大きな問題となっています。例えば、平成二年度の二十三区及び周辺五市の地域における自動車からの窒素酸化物排出量のうち、トラックなどからの排出割合は六八%と大きなウエートを占めており、都の大気汚染を改善する上でも、物流の分散配置は重要な課題といえます。  東京一極集中の弊害は、既にさまざまな角度から指摘され、それが最近再び活発化している首都機能移転論議にも連なっているわけでありますが、政治機能などの移転はともかくとして、東京が一千万都市を維持している限り、生活と密接にかかわっている物流機能を簡単に首都圏外に移転することはできません。ということになれば、これこそまさに東京内における再配置によって解決していかなければならない課題であります。東京都における流通業務施設の整備については、既に一九六六年、昭和四十一年に政府の基本方針が策定され、その中で、東京都においては、都心の区域に流通業務施設が過度に集中しているため、流通機能の低下と自動車交通の渋滞を来しているとして、分散配置の方向が提案をされています。  そこで、物流システム自体の効率化を図り、物流に大きなウエートを占めるトラックの走行距離を抑制し、交通渋滞、大気汚染などの環境悪化の要因を減らすという都市問題の側面から、都の物流対策についてお伺いいたします。  東京という都市は、歴史的にも実態的にも、二十三区と多摩という二つの都市圏によって成り立っているといえます。しかし、それは並び立つ関係としてではなく、二十三区あっての多摩という関係でこれまで推移をしてまいりました。多摩地区の人の中には今でも、新宿や銀座に出かける際、東京に行ってくるという人が結構いるのが実情であります。ちょっと前の時代までの多摩の置かれていた位置と、そのことを日々の生活の中で実感していた多摩の人々の心証を示す言葉といえるのではないかと思うんです。交通ネットワークのほとんどすべてが都心に向かって走っていることなども、その象徴の一つであります。  そして、諸機能の過度の集中がもたらす弊害がもはや限界点に達し、今、多摩の自立が語られているということになってまいりました。こうした中で、多摩地区における物流拠点づくりを進めていくということは、今まさに緊急の課題にもなっているわけでありますけれども、物流拠点づくりは、まとまった用地を必要とする、周辺環境への目配り、交通アクセス、クリアすべき課題の多い事業ではありますが、この深刻な現状を考えるとき、積極的な取り組みをぜひともお願いをしたいということを申し上げて、質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 片山議員の一般質問にお答えいたします。  多摩地域における物流拠点の整備についてのお尋ねでございます。  流通機能の向上と道路交通の円滑化を図るために、多摩地域に物流拠点を整備することが重要であることは認識いたしております。その整備を、第三次長期計画及び,93総合実施計画に位置づけているところであります。今後、関係機関とも十分調整を図りながら、中央自動車道等の広域幹線道路とのアクセスのほか、周辺環境の保全等にも配慮しつつ、多摩地域での物流拠点整備の方向について、鋭意検討を進めてまいります。  その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) 調布基地跡地内の国有地の取り扱い及び土地利用計画の早期確定についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  調布基地跡地は、多摩のまちづくりを推進するための貴重な空間であり、その適切な利用は、地元市の活性化につながるものと認識をしております。この土地利用計画につきましては、早期に合意を得るよう、地元市と緊密に協議を進めているところでございます。  また、国有地の取り扱い等につきましても、地元市の要望を踏まえ、引き続き関係機関と協議を進めてまいります。  次に、調布基地跡地と飛田給駅への取りつけ道路等との一体的整備についてのお尋ねでございます。  現在、跡地の整備が周辺の道路や交通機関に与える影響等を把握するため、交通量等の調査を実施しているところでございます。今後、これらの調査結果をもとに、地元市と十分協議を行い、その意向を踏まえつつ、取りつけ道路等の整備を実施してまいりたいと考えております。  次に、調布基地跡地に計画しております下水処理場の規模についてのお尋ねでございます。  昭和五十五年に策定しました流域別下水道整備総合計画におきまして、調布市など九市を含む区域約八千四百ヘクタールにつきまして、目標年次の平成七年度における人口約八十九万人、発生汚水原単位一人一日当たり三百六十リットル等をもとに、既設の北多摩一号処理場の能力を勘案しまして、一日最大汚水量約五十二万トンを算定したものでございます。  次に、下水処理場の位置選定についてのお尋ねでございます。  調布市など九市を含む区域におきましては、既設処理場用地内に施設拡張の余裕がないこと、適地を他に確保することが困難であること及び集水区域と放流場所からも適切な位置であること等から、調布基地跡地に処理場を設置することが適当であるとしたものでございます。  次に、野川への下水処理水の放流についてのお尋ねでございます。  計画中の下水処理場の集水区域は、大部分が野川流域に属しておりまして、また、処理場が野川に地理的に近い位置にあることから、流域別下水道整備総合計画におきまして、野川に放流する計画としております。地元での野川に対する関心が高いことは都としても承知しており、今後、計画の具体化に当たりましては、自然環境への影響等について調査検討を行い、地元市及び関係機関等と十分調整を図りながら、適切に対応してまいりたいと存じます。  なお、第一期の稼働時には、計画放流量の四分の一程度の流量になるものと想定をしております。    〔港湾局長藤中健治君登壇〕 ◯港湾局長(藤中健治君) 調布離着陸場に関連するご質問にお答え申し上げます。  調布離着陸場における飛行回数の削減の実績等についてのお尋ねでございます。  昨年七月、調布離着陸場の管理引き継ぎに当たり、地元市と協定いたしました飛行回数の削減につきましては、現在、国の協力を得ながら、航空機の使用者と協議を重ねているところでございます。  なお、平成四年の飛行実績は、基準年であります平成二年に比べまして約二千五百回下回る結果となっております。  また、飛行回数削減のためには、自家用機の移転分散が有効であることは、ご指摘のとおりでございます。そのため、都といたしましては、島しょ空港への格納庫の設置場所等を調査検討中でございまして、その結果を踏まえ、移転を働きかけていくとともに、近隣の飛行場に対しましても、その整備の進捗状況を見定めながら、受け入れを積極的に要請してまいる所存でございます。さらに、利用目的に応じた使用料の設定等も含めまして、今後とも自家用機の移転分散に積極的に取り組んでまいります。  次に、離陸重量制限を超える航空機についてのお尋ねでございます。  調布離着陸場には、地元市との協定で定めております離陸重量四・五三トン未満という要件を超える性能の航空機が駐機しているのはお話のとおりでございます。この航空機につきましては、旅客、貨物等の積載を認めず、使用目的を整備のみに限定するなど協定事項の離陸重量制限を守ることを条件に、使用を認めているものでございます。  なお、本年一月一日の調査で駐機が記録されておりますが、これも整備目的のために飛来したものでございます。  離陸重量制限につきましては、離着陸場使用申請の際、審査をいたしておりますが、今後とも協定の趣旨に沿って、厳格に実施してまいりたいと存じます。  次に、平成五年度の事業計画と騒音対策についてのお尋ねでございます。  平成五年度の事業計画は、環境影響評価のための現況調査、埋蔵文化財試掘調査、防音対策調査、ターミナルビル基本設計及び都市計画変更図書の作成を予定いたしております。  次に、騒音対策についてでございますが、航空機騒音の調査を平成四年八月から実施いたしておりまして、この調査結果をもとに、環境庁の定める環境基準を超える地域につきましては、民家防音工事助成を早期に実施してまいります。  また、ご指摘のように、関係住民からの苦情等に対しまして、市がみずから対処することも必要であると考えられますので、今後、地元市等と協議し、その対応策を検討してまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 調布基地跡地における体育高校の設置計画についてのお尋ねにお答えをいたします。  生涯スポーツの時代において、体育、スポーツに関心を持つ生徒の能力、適性を伸ばし、体育、スポーツを通じて豊かな人間性を育てることは重要なことでございます。しかしながら、生徒の減少期を迎え、体育、スポーツの専門教育のあり方については、類似の高校の状況なども勘案し、研究していく必要があると考えております。ご指摘の調布基地跡地における体育高校の問題につきましては、これらの研究や武蔵野の森総合スポーツ施設における諸施設の配置計画などを考慮して検討してまいりたいと考えております。      ─────────── ◯副議長(菅原宗一君) 八十七番萩谷勝彦君。    〔八十七番萩谷勝彦君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯八十七番(萩谷勝彦君) 私は、都政の当面する緊急課題について、知事並びに関係局長にお尋ねをいたします。  初めに、多摩都市モノレール事業についてお伺いをいたします。  私は、この事業について、昭和四十七年六月以来、その実現に向け、叫び続けてまいりました。平成二年十二月、長年の悲願でありました第一期工事が東大和市から、そして第二期工事が日野市内から、やっと着工したのであります。また、これに並行して、隣接の瑞穂町と武蔵村山市は、事業化に向けて懸命の運動を進めてまいりました。そして昨年十二月二十四日、多摩島しょ振興推進本部において、多摩都市モノレールの次期整備路線を、上北台から箱根ケ崎間約七キロとするとともに、多摩センターから町田間約十三キロ及び多摩センターから八王子間十七キロについて、事業化に向けて導入空間の確保に着手すべき路線としたことについての決定がなされましたが、昨今の財政環境の極めて厳しい中で多摩地区全域の振興を図るために、同モノレールの早期整備を熱望する関係地元市町や、多摩都民の要望に積極的にこたえた決断として、知事に感謝するとともに高く評価するものであります。  そこで、以下三点お伺いをいたします。  その第一は、上北台から多摩センターまでの十六キロの整備についてであります。当地区については、平成九年度供用開始の計画で、上北台付近では既にモノレールの橋脚も立ち上がっておりますが、立川駅周辺の再開発や区画整理事業の関係で、地元の一部から、計画達成を危ぶむ声も出ております。改めて今後の事業の見込みとご決意についてお伺いをいたします。  第二は、次期整備路線と位置づけられた上北台から箱根ケ崎間の約七キロについてであります。地元ではいっときも早い着手を望んでおり、特にこの事業については、武蔵村山市が先導的な役割を果たし、東京都、住宅・都市整備公団との三者協議の中で、西部地区、いわゆるグリーンタウン五十二ヘクタールの開発に合わせて、モノレール施設用地として、駅前広場、車両基地等の計画案を策定し、懸命にモノレール誘致のための具体的な準備を進めてきたのであります。そこで、都市計画決定の見込みなど、今後の具体的なスケジュールについて明らかにしていただきたいのであります。  最後に、事業化に向けて、導入空間の確保に着手すべき路線と位置づけられた八王子ルートに関してであります。  JR八王子駅北側は、現在典型的な交通過疎地域でありますが、多数の大学等が立地しており、今後区画整理事業などにより、まちづくりが大いに進む可能性を秘めている地域でもあります。そこで、お伺いしたいことは、八王子ルートについては、多摩センター・八王子駅南回りルートだけではなく、立川、日野、八王子の北回りルートもあわせて整備を進めるべきと考えますが、ご所見をお伺いをいたします。  次に、多摩東京移管百周年の記念事業についてお伺いをいたします。  多摩地区は、都民に貴重な水と緑を提供し、東京の今日の発展と潤いに大きく貢献してまいりました。特に、東村山、東大和、そして武蔵村山等の周辺には、都民の大切な水を供給する多摩湖、通称村山貯水池と浄水場を擁しており、昨年は、貯水池に通水、供用されて七十年目という佳節を迎えたのであります。この間、周辺住民は多大な犠牲を払わされました。例えば、用地買収に伴い、先祖伝来の家屋敷を提供し、涙ながらに住みなれたふるさとを後にしなければならなかった多くの居住者を初め、今は湖底のふるさととなってしまった関係者に対して、温かい思いやりを忘れてはならないと思うのであります。  このような歴史の沿革を知れば知るほど、現在の水と緑の自然環境に恵まれた当地区は、これにちなんだ記念事業を行い、先祖の労苦を記録にとどめて後世に伝えるとともに、都民に自然の大切さを教え、二十一世紀を担う子供たちにも、自然を慈しみ、はぐくむ心を伝えていく必要性を痛感せざるを得ないのであります。  多摩湖周辺は、先ほども述べましたように、貴重な水資源であるとともに、多くの緑を残しており、都のみどりのフィンガープランに指定され、隣接には都民の二〇%を賄う東村山浄水場があり、一千二百万都民の命を守るライフライン基地となっているのであります。一方、地域住民が切望する都の文化施設の状況を見ますと、周辺、北多摩北部の六市を見ても、甚だ寂しい限りであります。  そこで、このような交通便利で、かつ水と緑に因縁の深い多摩湖周辺こそ、記念行事にふさわしい最適の場と考えており、今日まで東村山市を初め、周辺住民は機会あるごとに知事に陳情をしてまいりました。  これに対して、知事は、一昨年十一月三十日、都立東村山ナーシングホームを訪ねられた際、市川東村山市長の直接の陳情に対して、すばらしい話です、よくわかりましたとご快諾をいただき、そこに居並ぶ関係者は、やっとこの話も緒についたと喜んだのであります。美しい水の惑星地球の自然を守り、環境に優しい都政が叫ばれている昨今、あらゆる生き物にとって生命の根源となる水と緑を守ることは、私たち自身を守ることであり、子孫への義務であると考えます。そこで、この多摩湖周辺に水と緑の自然館を建設することが、今まで多くの労苦を費やされた周辺住民に対する、感謝の思いを込めた答えではないでしょうか。  そこで、お伺いをいたしますが、東京都は、多摩湖を百周年記念事業の中でどうとらえ、どのように位置づけようとしているのか。また、都市近郊の水と緑の活用について、今後どう取り組むおつもりなのか。そして、水と緑の自然館の建設についてはどのようにお考えなのか、ご所見をお伺いをいたします。  次に、村山貯水池上堰堤の交通安全対策についてお伺いをいたします。  村山貯水池上堰堤は、大正十三年に貯水池建設の一環として築造されたのであります。以来、この上堰堤は、東大和市と所沢市、いわゆる東京都と埼玉県を南北に結ぶ重要な幹線道路として利用されてまいりました。特に、近年における自動車、自転車、そして歩行者の増大は、村山貯水池の観光地化と西武ライオンズの本拠地、西武球場の新設により、過飽和状態に達しているのであります。  この急速な流れの変化に対応するために、昭和五十七年、東大和市、武蔵村山市、そして所沢市の周辺三市が中心となり、貯水池上堰堤交通安全対策協議会が結成され、今日まで解決のための精力的な運動が展開されてまいりました。現在も既に一日二万台以上の車が往来し、私も昨年九月、現場を一時間ほどチェックしてまいりましたが、歩行者は歩けない、自転車も満足に走れないという、まさに車優先の専用道路としかいいようがありません。  この堰堤は、ご承知のとおり一般道路ではなく、水道局の管理用道路のため、幅員が六メートルと狭く、歩道もなく、人と自転車は、先ほど申し上げましたように通行できない状況であります。この貯水池周辺には、狭山自然公園自転車道もあり、今後ますます安全対策の確立は急務とされるのであります。  そこで、お伺いいたしますが、現在までの安全対策協議会の必死の運動に対して、総務、都市計画、建設、水道の四局で調整会議が持たれていると聞いておりますが、貯水池上堰堤の交通安全対策はどのようになっているのか、また、緊急避難的に当面の安全対策はどうするのか、お伺いをいたします。  最後に、業者テスト問題についてお伺いをいたします。  先月二十二日、文部省は各都道府県に対し、事実上、中学校は業者テスト即時禁止の通知を出しました。その内容は、直ちに改善することとして、異例の強い表現で、直ちに改善を図るよう求めております。昨年、埼玉県がこの業者テスト全廃の発端となって以来、それぞれの教育現場では、教師、父兄、生徒にいたずらに混乱を招くことがあってはならないとして、関係者の真剣な検討が続けられてまいりました。特に東京都は他府県に比べ、志望校を決める目安として広く業者テストが行われており、今回の文部省の通知に対して、直ちにこれを全廃することに根強い不安の声があります。多摩地区の中学校では、来年度受験する二年生の父兄にアンケート調査を行ったところ、業者テストの偏差値が使えなくなったら困ると大半の親が答えており、このアンケートをまとめたある父兄は、今回の文部省の決定は正しいと思います、しかし、正しいからといって、現場の子供たちが困らないよう時間をかけて準備をしていくのが当然であり、今回の文部省の通知は、受験する生徒や親の意見を全く無視した決定ですと嘆いております。  また、中学二年生担任の教師は、これによって進学塾に行く生徒がふえるでしょう、業者テストを禁止するのであれば一定の準備期間が必要です、とも話しております。また、中学校が独自の進学指導用資料をつくるべきだとの声が上がる中で、現場の教師は、余りにも現場の実態を知らな過ぎる、それぞれが二十時間前後の授業を持ち、しかも、学級担任、学校の諸行事をこなす中で、どこまで資料収集ができるか、まことに疑問である。例えば、生徒数二百名の中学校で、五十校を超える高校を受験する現状で、近隣の中学で資料を交換するとか、定期テストの結果や内申だけで合否を予測するなど、さまざまな方法を検討してきたが、物理的にも時間的にも非常に難しいといわざるを得ない。直ちに改善せよとの今回の性急な内容では、業者テストを全廃することにより、そのまま塾への依存度が高まることは必定です、と話しております。  さらにまた、極論かもしれないが、昔、貧乏人は麦を食えといった大臣がおりましたが、今度は、金持ちは塾へ行け、貧乏人は自分で判断し、受験校を決め、落ちたら、実力がなかったのだとあきらめなさいというのと全く同じです、と慨嘆しております。こうした中、東京都は都立高校の入試制度を来年度から大きく変えようとしております。  このような現状を踏まえ、以下、お尋ねをいたします。  今、最も大切なことは、教育現場がいたずらに混乱しないよう配慮すべきでありますが、まず二月二十二日、文部省より都教委に通知のあった内容は基本的にどのようなものだったのか。また、今後どのような方針で臨むつもりなのか。さらに、教育現場の混乱をなくすための早急な結論とともに、各中学校における進路指導の改善を図るために、一定の猶予を考えるのか、具体的な対応について、現場の皆さんが納得できるようわかりやすくお答えをいただきたいのであります。  以上で私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 萩谷議員の一般質問にお答えいたします。  多摩都市モノレールの日野経由、立川─八王子間の整備についてのお尋ねであります。  この路線は既存鉄道との関係などから、今回の次期整備路線に関する決定の対象とならなかったものであります。本路線については、多摩都市モノレールの構想路線の事業化を逐次進めていく中で、導入空間の確保、沿線状況の推移等を見守りつつ、今後対応してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) 多摩都市モノレールの上北台─箱根ケ崎間の事業化スケジュールについてのお尋ねでございます。  第三次東京都長期計画におきましては、平成十二年度までの計画期間中に、多摩都市モノレールのおおむね二十キロメートル程度の延伸に着手することとしております。この方針に沿いまして、今後、本区間にかかわる軌道法の特許取得、都市計画決定等事業化の準備を進めてまいりたいと存じます。    〔建設局長石川金治君登壇〕 ◯建設局長(石川金治君) 多摩都市モノレールの上北台─多摩センター間の事業についてのお尋ねでございますが、現在、導入道路の用地買収を進めるとともに、立川駅周辺を初めとした土地区画整理区域等におきましても、関係者と協議、調整を行い、モノレールの支柱設置工事を順次実施しているところでございます。今後とも関係者の理解と協力を得て、平成九年度開業に向け鋭意努力してまいります。    〔総務局長大森國裕君登壇〕 ◯総務局長(大森國裕君) お答え申し上げます。  まず、多摩湖の百周年記念事業における位置づけについてのお尋ねでございますが、多摩湖を含む狭山丘陵などの水と緑は、多摩地域の都市空間の豊かさを象徴する貴重な地域資源でございまして、TAMAらいふ21のテーマプログラムの一つでございます、多摩の湧水、崖線の保全の中に位置づけております。事業展開に当たりましては、地域特性を生かした水と緑のネットワークの形成を図り、これを保全、活用をしてまいりたいと存じます。  次に、都市近郊の水と緑の活用と、多摩湖周辺に水と緑の自然館を建設することについてのお尋ねでございますが、多摩湖はご指摘のように、都民の飲料水を供給する水源であるとともに、その周辺には豊かな緑が残されておりまして、水と緑の自然環境に恵まれた貴重な空間でございます。この多摩湖周辺の豊かな自然環境を生かし、水や緑の保全の必要性、大切さを学び、歴史や自然と触れ合うことのできる場を整備することは、貴重なご提言であると考えておりまして、今後十分検討をしてまいります。  次に、村山貯水池上堰堤道路の交通安全対策についてでございますが、この問題につきましては、地元各方面から地元警察署に対して、大型車の通行を取り締まるよう機会あるごとに要請をしておりますが、なかなか困難な状況にございます。今後の対応策として、現在、交通実態や将来の交通量推計など、基礎調査を実施しているところでございまして、この調査結果を踏まえて、道路整備に関する検討を、さらに関係四局で進めてまいります。  なお、この抜本的解決策の計画の実現には、埼玉県との調整や環境保全との調整など、かなりの時間を要する見込みでございますので、当面の安全対策として、歩行者及び自転車通行の安全を図るため、堰堤に仮設の通路等を設置をするよう関係四局で調整をしてまいりたいと考えております。  以上です。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 初めに、二月二十二日付の文部省通知における業者テストにかかわる内容についてのお尋ねでございます。  今回の通知は、高等学校の入学者選抜制度の改善に関するものでございますが、業者テストにかかわる主な事項といたしましては、まず、入学者選抜は、公教育としてふさわしい適切な資料に基づいて行われるべきであり、平成六年度から、業者テストの結果を資料として用いた入学者の選抜が行われることがあってはならないこと。そして、中学校にあっては、教職員の勤務時間中に業者テストを実施してはならず、それに一切関与してはならない。その結果を高等学校に提供してはならないこと。さらに、高等学校にあっては、業者テストや学習塾の実施するテストの偏差値の提供を、中学校や学習塾、保護者や生徒に求めないことなどが示されております。  次に、この文部省通知を受けての方針及び対応についてのお尋ねでございます。  都教育委員会は、業者テストの問題を中学校の進路指導のあり方の基本にかかわる重要な課題と考え、これまで東京都公立中学校進路指導問題検討委員会において、文部省の高校教育推進会議の報告書の内容についても検討し、また、公私連絡協議会においても協議をしてきたところでございます。都教育委員会におきましても、業者テストの問題については、今回の通知と同様の認識に立っており、今後とも東京の実情に即して、引き続き検討、協議を進め、できるだけ早期に具体的な方策をまとめたいと考えております。
     また、新たな事態によって生ずる進路指導上の諸問題に対応するため、区市町村教育委員会と連携し、全都的な協議機関を新年度から発足させ、高校等に関する情報の収集や提供、さらに、校内や地域における実力テストのあり方や、進路相談の実践の手引の内容などについて協議してまいりたいと考えております。  さらに、各中学校において、進路指導に関する情報を収集整理するなどして、生徒や保護者の相談に応じられる体制を整備するよう指導してまいりたいと存じております。  以上でございます。      ─────────── ◯議長(小林かんじ君) 四十三番小林多門君。    〔四十三番小林多門君登壇〕 ◯四十三番(小林多門君) 私は、日ごろから鈴木知事を尊敬し、何かとご指導をいただいておりますので、知事や関係局長の顔を逆なでするような質問はいたしません。しかしながら、幾ら知事与党の議員といえども、正々堂々とただすべきはただし、改めていただかなければならない点については、歯に衣を着せないで、率直にずばりと指摘させていただき、知事の政策や考え方を十分理解をした上で、最終的には鈴木都政を強力にバックアップしていく、これこそがまさに真の議会制民主主義の基本であり、鈴木知事与党議員としてのとるべき姿ではなかろうかと思いますので、以下、そのような立場に立って質問をしてみたいと思います。  私の質問の第一点は、首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道についてであります。私は、都議会本会議において、過去二回にわたって、圏央道の早期建設のために、都の取り組み方や推進体制の強化をされるよう鈴木知事に質問をし、要請もしてまいりました。知事は私の質問にこたえて、平成三年度から、都の職員を二十名、新都市建設公社に派遣して、圏央道担当の専門のスタッフを置いて取り組まれておりますことは、私は高く評価しているところであります。しかし、この体制とても、隣の埼玉県の取り組み体制に比べますと、率直に申し上げまして、大分見劣りがするのであります。昔から、百聞は一見にしかずと申しますが、私がここで声を大にして多くを申し上げますよりも、東京と埼玉の都県境であります青梅市を訪れれば一目瞭然であり、十分理解をできるのであります。  そこで、何点かお伺いをいたします。  第一点は、総延長二百七十キロに及ぶ圏央道の一都四県の基本計画と、その事業化状況、及び各都県における供用開始は平成何年を目標としているのか。  第二点、私はこの際、都においてはもちろん、地元自治体に協力を呼びかけ、さらに推進体制の強化を図るべきだと思いますが、知事の積極的な姿勢を承りたいと思います。  第三点、私は、過去二回にわたって、都議会本会議で、八王子や地元住民の大きな声として、現在の計画では、八王子北インターチェンジはハーフインターチェンジとなっているが、フルインターにしていただきたいと強く要望をいたしました。知事は私の質問に対して、八王子市や地元住民の声を十二分にお聞きし、国や関係機関に働きかけてまいりたいと、極めて前向きな答弁をされたのであります。しかし、ごく最近発行されました圏央道のパンフレットを見ますと、八王子北インターチェンジは埼玉方面には出入りできませんと、墨黒く印刷されているのであります。  そこで、お伺いをいたします。都は、一体いつの時点でフルインター化への変更手続をとられようとしているのか。仏の顔も二度三度と申します。小林多門の質問も三度までであります。私はこの際、知事の責任ある答弁をお聞かせをいただきたいのであります。  次に、八王子市内の西部地域を南北に走っております主要地方道四六号線、いわゆる高尾街道の廿里、南浅川地区は、ダンプ関連道路として早急に整備する必要があると同時に、現在事業中の圏央道、八王子北インターチェンジへのアクセス道路として、その整備が急務となっているところであります。  しかし廿里地区においては、順次工事に着工しているとはいうものの、南浅川地区から甲州街道に接続する区間は、太平洋におけるアヒルのひれかきどころか、十年たってもいまだ一向に用地交渉は進まず、一体いつになったら工事が始まるのか、全く予想もつかない状態であり、地元住民のいら立ちと怒りは募るばかりであります。  昔から苦節十年と申しますが、苦節十年とは、努力に努力を重ねた結果ようやく実現できたという意味であろうと思います。私は、もうそろそろこの言葉が使えるように、知事の強力なリーダーシップのもとに早期決着をすべきではないかと思いますが、この都道整備に寄せる知事の決意のほどを承りたいのであります。  あわせて、八王子都市計画道路三・三・一三号線、いわゆる野猿街道の整備についても、これまた同様のことがいえるのであります。この際、用地買収の状況、供用開始の見通し等について明確にご答弁いただきたいと思います。  次に、都立八王子小児病院の拡充整備並びに同病院への入院児童生徒の勉学対策についてであります。  まず、都立八王子小児病院の整備拡充については、私は、去る昭和六十三年九月の第三回定例都議会並びに平成三年十二月の第四回定例都議会において、具体的な例を挙げて充実強化の必要性を訴えました。  また、先日の新聞報道にもありましたように、八王子小児病院の新生児救急医療は、八王子はもとより多摩地域の拠点として極めて重要な役割を果たしており、この点についても一層の充実が求められているのであります。  そこで、お伺いをいたしますが、知事は私の二回にわたる質問に対し、八王子小児病院のあり方については今後十分に検討してまいりたいと、これまた極めて前向きの答弁をされたのであります。しかし、私の一回目の質問から既に四年半、二回目の質問から数えても一年二カ月が経過しているのであります。一体いつまで検討しようとしているのか。「けんとう、けんとう」とおっしゃっておりますが、「拳闘」は後楽園のボクシングジムにお任せいただいて、この際、その後の検討結果と八王子小児病院の今後のあり方について、具体的にお聞かせ願いたいのであります。  また、同小児病院には毎年二十人前後の児童生徒が入院しており、そのほとんどの子供たちは四カ月未満で退院しております。現在、八王子小児病院には、療養児のための病弱、虚弱学級の施設は併設されておりません。そこで、この入院期間中の子供たちの勉学の保障についてお伺いをいたします。  文部省の学校基本調査報告によりますと、不登校児童生徒は、全国的に見て、ここ二十年近く、年々その数がふえつつあります。東京都においても、その例外ではありません。この登校拒否のきっかけや原因としては、友人関係や親子関係などのほかに、病気による長期欠席もその一つの要因となっていると聞いております。  そこで、お伺いいたしますが、不幸にも望まずして病気となり、学校の勉強から数カ月間離れることによって、当然勉強がおくれることになり、こうして学校嫌いになる引き金が入院生活であったとするならば、健康は回復することはできても、子供にとっては余りにも不幸なことといわなければなりません。  そこで私は、長期の入院で通学できない子供たちのために、病院内に学級を設けるなど、きめ細かい教育環境を整備充実していくことは、療養児を持つ父母の切実な願いでもあろうと思います。一人でも登校拒否の子供をつくらないためにも、都独自の対応策を真剣に考えるべきではないかと思いますが、教育長の前向きの答弁を期待するものであります。  次に、多摩地域の中央卸売市場の建設促進についてお伺いをいたします。  私は、平成二年第一回定例都議会において、当時、第四次中央卸売市場整備計画に計画されていなかった多摩地域の中央卸売市場の建設を、知事に強く要望をいたしました。そして昨日は、我が党の岡野幹事長が代表質問に立ち、改めて多摩地域の中央卸売市場の必要性を強く訴え、知事のお考えを承ったのであります。  私は、昨日の知事答弁の中から、都の基本的な考え方や今後のスケジュール等については一定の理解ができたのでありますが、しかし、今後多摩地域に何カ所建設しようとしているのか、また、地元自治体や市場関係者への指導や援助をどのようにしていくのか、残念ながら明確になっておりません。第五次整備計画が示されてから既に一年三カ月が経過しているのであります。この際、知事から、これらの問題について具体的にお聞かせをいただきたいと思います。  特に、人口四十七万を数える八王子市の北野及び片倉の地方卸売市場の現状では、その敷地、規模、施設の老朽化等、いずれも不十分なために、その需要に十分応じ切れない実態にあります。  そこで、この二つの市場を統合して、交通の利便性が極めて高い中央道八王子インターチェンジ近くの都有地に適地を確保し、多摩地域の広範囲な青果市場の拠点の一つとして早急に整備を図る必要があると思いますが、あわせて知事のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。  次に、昭和天皇御在位六十周年記念事業の一環として、全国都道府県各一カ所に建設が予定されております、八王子の上柚木運動公園の建設についてお伺いをいたします。  この問題についても、私は都議会本会議で何回か質問をいたしました。当初の予定ですと、平成七年にオープンとのことでありましたが、その計画は大分おくれているようであります。  そこで、お伺いいたします。そのおくれている原因は一体何なのか。地元八王子市や体育協会との協議はどのようになっているのか。今後の建設計画とオープンの見通し等についてお聞かせをいただきたいと思います。  次に、多摩地域の流域下水道事業の促進についてお伺いをいたします。  昨年十一月に示されました都の総合実施計画によりますと、下水道事業については、多摩地域の整備計画区域は十年代半ばまでに一〇〇%、その普及の達成を図るとしております。また、市町に対する技術指導や援助を積極的に行うともうたっております。  昨年十一月、知事を初め下水道局の並み並みならぬ努力と、地元自治体並びに多くの住民の積極的なご協力により、浅川処理場及び八王子処理場が供用開始をいたしました。しかし、両処理場の稼働にもかかわらず、その流域の普及状況は、残念ながらはかばかしくありません。  現在、多摩地域全体の下水道の普及率は、平成三年度末で八〇%となっておりますが、多摩川右岸、いわゆる南多摩、西多摩地域の下水道の普及率はいまだに三〇%台と、他の地域に比べて極端に低く、この地域の早期普及を望む声は大なるものがあります。  私は、率直に申し上げまして、現在の事業の進みぐあいや整備体制、自治体の事業費枠では、平成十年代半ばまでの一〇〇%達成という目標は極めて困難であり、まさに夢の夢といわざるを得ないのであります。  そこで、私はこの際、多摩出身の鈴木知事に謹んでお願い申し上げます。  昨年発表された都の総合実施計画どおり、十年代半ばまでに一〇〇%普及の達成を図るために、文字どおり鈴木知事が強力なリーダーシップを発揮され、また、都がさらに積極的な応援体制を強化され、多摩都民の多年の願いと期待におこたえいただきたいのであります。  多摩で生まれ、多摩で育ち、ふるさと多摩をこよなく愛していると常日ごろからおっしゃっております鈴木知事に、多摩地域の下水道事業に寄せる決意のほどをお伺いをして、私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 小林議員の一般質問にお答えいたします。  まず、圏央道建設の推進体制の強化についてのお尋ねであります。  この道路は、多摩地域を初めとする首都圏の発展に重要な役割を果たすものであり、都も積極的に協力すべきものと認識しております。  このため、去る平成四年十一月には、一都四県の知事及び市長等による首都圏中央連絡自動車道建設促進会議を設立し、私は初代会長として、国等に対し、圏央道建設の促進を働きかけてきたところでございます。  今後とも、必要に応じ、新都市建設公社の執行体制を充実するとともに、地元自治体と連携し、早期整備に協力してまいります。  次に、圏央道八王子北インターチェンジのフルインターチェンジ化についてのお尋ねであります。  このインターチェンジは、交通需要及び周辺道路網の整備状況などを総合的に検討した結果、南方向にだけ出入りが可能な、いわゆるハーフインターチェンジとして都市計画決定をしたものでございます。現在、この計画に従い事業推進が図られているところであります。  ご要望のフルインターチェンジ化については、その整備手法やアクセス道路等の課題がございますが、周辺開発や交通需要等の動向を踏まえつつ、国や八王子市等と十分協議を行った上で、適切に対応してまいります。  次に、高尾街道廿里、南浅川地区の道路整備についてのお尋ねであります。  この地区は、甲州街道や町田街道への接続地点となっており、特にその整備が急がれている箇所であることは十分認識しております。  ご指摘の箇所につきましては、関係権利者の理解と協力を得まして、今後とも全力を挙げて用地取得の促進を図り、早期完成に努めてまいります。  次に、都立八王子小児病院の拡充整備についてのお尋ねであります。  都立八王子小児病院は、多摩西南部において地域の要望にこたえ、救急医療や心臓病医療などを重点に、小児医療の確保に努力しているところであります。  このような状況を踏まえ、平成五年度には医師等を増員するなど、救急医療体制の一層の充実を図ることといたしております。  都立八王子小児病院の今後のあり方については、近年の少産傾向等の状況を踏まえ、小児専門病院及び総合病院小児科のあり方並びに民間医療機関との連携など、都立病院の小児医療について総合的に検討していく中で、その医療機能を生かす方向で考えてまいります。  次に、多摩地域における青果中央卸売市場の設置箇所数等についてのお尋ねであります。  第五次卸売市場整備計画におきましては、中央卸売市場化を含めた整備について調査検討することとしております。現在、複数の市場の整備も視野に入れた調査を行っているところであります。  今後、関係局で構成される全庁的組織において検討を行い、平成五年度、六年度に基本構想、七年度には基本計画を策定することとしており、その中で地元自治体や市場関係者等との調整を図り、具体化をしてまいります。  次に、多摩地域の下水道の整備促進についてのお尋ねであります。  多摩地域の下水道の早期整備は重要な課題であり、ご指摘のように、多摩川右岸地域等の普及率の低い地域につきましては、より積極的に推進する必要があると認識いたしております。  都としては、これまで市町が行う下水道事業の支援策として、新都市建設公社の下水道部門の充実強化等に努めてきたところであります。  今後とも、平成十年代半ばまでの一〇〇%普及達成に向けて、地元市町とともに一層の努力を重ねてまいります。  なお、その他のご質問につきましては関係局長から答弁申し上げます。    〔建設局長石川金治君登壇〕 ◯建設局長(石川金治君) 圏央道についてのお尋ねでございますが、この路線の計画総延長約二百七十キロメートルのうち、基本計画策定延長は約二百三十五キロメートルでございます。この基本計画のうち、事業中の延長約百七キロメートルについて、国などが事業を推進しているところでございます。  供用開始の目標につきましては、青梅から関越自動車道間は、平成五年度から始まる第十一次道路整備五カ年計画期間内に、その他の事業中の東京都区間につきましても、平成十年度以降なるべく早い時期に供用を図っていく予定と聞いております。  次に、八王子都市計画道路三・三・一三号線、通称野猿街道の整備についてのお尋ねでございます。  本路線の事業現況は、用地につきましては約九〇%取得済みでございます。また工事につきましても、可能な箇所から複雑な地形に合わせて地山を切り取るなど、土工事を施工しているところでございます。また、一部区間では歩道の整備が完了しています。  今後とも、地元地権者等の理解と協力を得て、早期完成に努めてまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 都立八王子小児病院に入院している児童生徒の教育についてのお尋ねでございます。  この病院におきましては、現在八名の学齢児がおり、そのうち三カ月以上の長期入院の二名に対し、都立八王子東養護学校の教員を週二回ないし三回派遣して、病院内での教育を行っているところでございます。  今後とも、長期にわたる入院生活であっても、ご指摘のとおり、児童生徒が登校拒否などに陥ることのないよう、保護者や在籍している小中学校との連携を図りながら、市教育委員会、病院とも十分協議をし、入院児の教育環境の充実に努めてまいりたいと存じております。    〔中央卸売市場長赤木博君登壇〕 ◯中央卸売市場長(赤木博君) 中央自動車道八王子インターチェンジの周辺に卸売市場を整備してはどうかとのお尋ねであります。  多摩地域における青果卸売市場の整備については、中央卸売市場化を含めた検討を行い、平成七年度に策定を予定している基本計画の中で明らかにしてまいりたいと考えております。  ご指摘の地区については、八王子市が同地区を、卸売市場等を含む流通業務系の市街地として整備する構想を明らかにしている事情も考慮し、候補地の一つとして今後十分検討してまいりたいと考えております。    〔多摩都市整備本部長森欣貳君登壇〕 ◯多摩都市整備本部長(森欣貳君) 多摩ニュータウン区域内の上柚木運動公園の整備についてのお尋ねにお答えいたします。  上柚木運動公園は、面積が約二十一・三ヘクタールございますが、昭和天皇御在位六十年記念健康運動公園として指定され、平成七年度に完成予定でありました。この計画に基づきまして、平成元年度より埋蔵文化財調査を実施し、調査を終了した箇所から逐次公園整備の先行工事といたしまして、大量の盛り土工事を行ってきたところでございます。  この盛り土の安定期間を考慮いたしまして、公園を三つの地区に分け、順次整備工事を実施することとしたものでございます。  今後の計画といたしましては、多目的広場、ソフトボール場などを設置する東側の郷戸地区を平成五年度末までに整備し、六年度に八王子市の公園として開園する予定でございます。  その他の地区につきましても、順次整備を進め、平成九年度に完成させることとしています。  公園に設置する各種運動施設につきましては、基本構想の段階から八王子市及び関係団体と協議してきたところでありますが、今後も十分調整を図りながら、親しまれる運動公園としてその整備に鋭意努力してまいる所存でございます。      ─────────── ◯議長(小林かんじ君) 五十四番宮尾英世君。    〔五十四番宮尾英世君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯五十四番(宮尾英世君) 私は、まず、都政運営について幾つかお伺いしたいと思います。  日産座間工場の生産中止の問題は、社会的に大きな波紋を呼びました。百貨店売り上げの極端な減少、管理職を中心とした事実上の指名解雇、採用取り消し、円高による第二次産業へのしわ寄せなど、不況のニュースが続く中での生産中止だっただけに、より深刻な波紋を投げかけたのではないでしょうか。  経済の先行きについては、経済紙誌で多くの方がそれぞれの立場で分析されています。今までの経済がアブノーマルで今がノーマルだといわれる方、かなり深刻な不況だと分析される方など、それだけに現在の経済状況がつかみ切れないということだと思います。  私は、世界全体が不況の真っただ中にあって、日本だけが大幅な経済収支黒字を持っていること、そのため、ますます世界から国際貢献、日本市場の門戸開放を求められること、円高が強まり、製造業者の日本脱出、企業の空洞化、このように見てきますと、不況がまだしばらく続くのではないかと思われます。  そこで、不況の克服策として、政府は公定歩合を六回にわたって引き下げ、十兆七千億の補正予算を組み、これで大丈夫だというふうにいっています。しかし一向に回復の兆しが見えない。見えないどころか、この公定歩合引き下げは、預貯金金利をも引き下げ、年金者に大きな打撃となり、一方で金融機関は、バブル経済崩壊の中で抱え込んだ不良債権が処理しやすい図式となってきているわけであります。その上、土地保有税、国土法の規制撤廃をさせ、不動産取引で景気対策をの声も出ていますが、その結果は、バブルと同じ道を歩むものであり、到底容認されるものではありません。今世界から求められているのは、輸出の洪水でなく、社会資本の整備、内需拡大ではないでしょうか。  そこで、知事にお伺いいたしますが、不透明な経済状況の中にあって、今後の経済の見通しについて、知事のご所見をお伺いいたします。  仮に、不況が長引くとするならば、都財政への影響も必至です。総合実施計画、本年度予算を見る限り、厳しい財政事情の中で、生活関連を中心に編成されていることについては評価いたします。今後も厳しい財政状況は続くと思われますが、臨海、東京フロンティアを抱えた東京にとって、諸施策の推進に当たっては柔軟な都政運営が求められると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、医療廃棄物についてお伺いいたします。  医療の発展に伴い、医療関係施設から排出されるガラス、プラスチック類のディスポーザルシリンジ、薬品類、注射用アンプル容器、注射針、手術後の包帯類などの感染性医療廃棄物の処理は、無視できない現実の問題となってきています。近年、医療廃棄物が海岸、河川、空き地などに無断で廃棄、放置される事件が報道されたことから、これらの医療廃棄物によってエイズ、肝炎などに代表されるウイルスが一般市民に感染する危険性が取り上げられ、国民の健康と安全が脅かされるようになってきています。  また一方では、治療のために通院あるいは入院している患者に耐性ブドウ球菌感染症、インフルエンザ、麻疹など、病院内での院内感染も重要な問題になっており、このように医療廃棄物の処理、院内感染の管理は、国民の健康と安全、環境汚染という観点から見ると極めて重要な問題といえます。
     厚生省は、九一年の廃棄物処理法の改正で、医療廃棄物の管理を強化、指導していますが、報道では、不法投棄は減っていないと指摘しています。医療廃棄物による一般市民への感染が事実であれば大変なことになります。  そこで、お伺いしますが、都立病院及び都内の民間病院を含めて、医療廃棄物の処理の実態を明らかにしていただきたいと思います。都の資料によれば、特別管理産業廃棄物の使用は九三年四月一日となっていますが、収集運搬、中間処理、最終処分の実態とその検証が具体的にどのようになっているのか、お伺いします。  特別管理産業廃棄物管理者は定められていますけれども、公衆衛生に直接関係している医療という特殊な領域において、専門資格は定められていません。そこで、早急に医学専門知識と公衆衛生、消毒、滅菌に関する専門知識、技術を習得した医療廃棄物処理の専門職、院内感染予防委員会のメンバーとして院内感染予防アドバイス及び実務業務に携わることのできる資格、例えば医療廃棄物処理施設技術管理者、医療廃棄物取扱主任者など、国家資格か準国家資格の新設が望ましいと考えますが、当面は新制度の定着に努力する必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。  次に、まちづくりの視点から幾つかの問題についてお伺いします。  まず、都市農業の振興策についてお伺いします。  農林水産省は、昨年六月、新しい食糧、農業、農村政策の方向を取りまとめ、農業、農村政策三法案を通常国会に上程するとしています。ところで、東京都も昨年十月、今後における農林水産業の発展の方向と振興策について中間答申をまとめております。農地敷地面積の約七〇%は市街化区域内に位置する東京の農業事情と全国的な立場からの施策とは異なりますが、以下の点についてお伺いします。  まず第一は、国が行うとしている農業、農村に関する新政策のための法改正などの趣旨と、都の農業振興策とはリンクするのかどうか。リンクするとすれば、その内容を明らかにしていただきたいと思います。  第二点は、都市農業の振興に欠かせないのが後継者の不足や高齢化です。魅力ある都市農業を実施するための従事者の所得──年間、生涯の所得や労働時間はどのような状態にあり、今後どうあるべきか、目安で結構ですからお示し願いたいと思います。  三点は、畑作中心の東京農業では、農産物の価格は市況に任せているのが現状であります。安定した所得を確保していくためには、農作物の価格安定が必要であります。輸入農産物の増加等も予想され、価格の低下も危惧されますが、現在、東京都はどのような施策を講じているのか。あわせて、輸入農産物の状況について、輸入品、輸入量をお示しいただくとともに、それが東京の農業にどのような影響を与えているか、お伺いいたします。  四点目は、この法案の計画では、今後、全国的に農業の規模拡大、機械化とともに、企業化の方向がますます拡大していくと思われますが、そのような動きの中で、東京都としてどのように農業の振興を図っていくのか、お伺いいたします。  次に、緑地保全についてお伺いいたします。  都は、新年度予算で、自然保護と回復に関する条例に基づく保全地域について、保全地域指定協力奨励金を新規事業として予算化しています。都の前向きな取り組みは評価しますが、果たしてこれで緑被率が維持できるかどうかということであります。  緑地保全に最も大切なことは、固定資産税、相続税など、税制面での配慮が必要といえます。国も地球環境について積極的に提言しているわけですから、少なくとも自治体が認定した緑地保全地域については、税制面での緩和策をとるなど、法改正に向けた取り組みをすべきと思いますが、ご所見をお伺いします。  また、現在、都では、緑地保全地域の広さが一ヘクタールを目安に指定するとしています。緑の倍増計画を策定した今日、これを思い切って、例えば五千平米に引き下げ、緑地保全に積極的に取り組むべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、住宅問題についてお伺いします。  高齢化社会の到来はいうまでもありませんが、とりわけ公共住宅の多い地域も例外でありません。自治会活動を行うにもままならない地域も出ています。町はお年寄りや若者、子供がいて活気が出てまいります。その意味で公共住宅の適正な居住水準に向けて努力が払われていますが、一方、画一的な公営住宅の入居収入基準を東京の実情に合わせて見直す必要があると思います。少なくとも政令都市か三大都市圏の実情に合わせて入居収入基準を見直すよう、国に働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。  二つ目は、都営住宅の建てかえに当たって、都市景観をも重視した設計が行われてきています。そこで、中小河川に隣地する都営住宅にあっては、住宅局と建設局が調整を図り、水辺とリンクした住宅建設を進めるべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。  まちづくりの最後に、用途地域の見直しと建築指導業務の市への移管についてお伺いいたします。  まず、用途地域の見直しは、都市計画法が改正され幅と広がりが出てきております。しかし、清瀬駅及び秋津駅周辺の商店街活性化のためにも、用途地域見直しの声が強く、市も調査を開始することになっています。市の都計審でも検討されることになると思いますが、都の支援策が望まれます。ご所見をお伺いいたします。  建築指導業務の市への移管については、市長会が難色を示していることは承知しております。しかし、まちづくりの観点から見ますと、市の業務に必要不可欠だと考えます。全国で人口十五万人以上の市で建築行政を行っている市が九市ありますが、そのうち六市が多摩地区であります。当面、これらの市に建築行政を移管すべきと考えます。都も市への事務移管について、前向きに対応されているわけですから、市に対する人的支援を示し、積極的に対応していくべきだと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。  質問の最後に、東久留米駅周辺の区画整理事業も、都の支援を得て順調に事業が進められています。駅前西口の再開発事業は地権者組合にゆだねており、今年、市と地権者が再開発のための協議会を発足させ、地区中心にふさわしいまちづくりを行うこととしています。都もぜひご協力をいただき、再開発事業を初めとしたまちづくりの成功のための誘導策など、都の支援策をお願いし、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 宮尾議員の一般質問にお答えいたします。  まず、今後の経済の見通しについてのお尋ねであります。  現在の我が国経済は、厳しい調整局面にあり、景気の先行きについてはいまだ明るさが見えない状況であります。しかし、現在、国においては、総合経済対策や公定歩合の引き下げなど、財政、金融両面から景気の浮揚を図るべく努力しているところであります。また、都におきましても、景気対策の一端を積極的に担うため、公共事業の前倒しや補正予算を編成するなど、所要の対策を講じており、景気は今後緩やかに回復していくものと見ております。  次に、柔軟な都政運営の必要性についてのお尋ねであります。  私は、これまでも、マイタウン東京の実現を目指し、社会経済情勢の変化を踏まえ、財源の年度間調整機能の強化などにより、都政の弾力的な運営を図ってきたところでございます。とりわけ、厳しい財政状況に直面している今日、長期的な展望を見失うことなく、また時々の経済情勢に応じて柔軟に対策を講じながら、着実に諸施策を展開することが重要であると考えており、今後ともこのような視点から適切な都政運営に努めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) まず、商店街活性化のための用途地域等の見直しについてのお尋ねでございます。  商店街の活性化のためには、それぞれの地域の特性に応じて、市街地再開発事業等を活用し、活力ある個性的なまちづくりを推進する必要があると考えております。今後、都としましては、用途地域等の見直しに当たりまして、地元市とも十分連絡調整を図りながら、まちづくりの推進に向けて適切に対処してまいりたいと存じます。  次に、建築行政の市への事務移管に伴う人的支援策についてのお尋ねであります。  都としましては、各市の実情に応じて、移管前に市職員の研修を受け入れ、その人材育成に努めるとともに、必要があれば都職員の派遣も検討するなど、事務移管が円滑に進展するよう積極的に対処してまいりたいと考えております。  次に、東久留米駅西口地区のまちづくりについてのお尋ねでございます。  駅西口地区につきましては、平成五年度完成を目途に、東久留米市が土地区画整理事業を施行中でございます。市としましては、中心市街地にふさわしいまちづくりを推進するため、今後、地権者との協議組織を発足させたい意向であると聞いております。都としましては、再開発を初めとしたまちづくり調査に対する指導、援助を行うなど、今後とも、市とともに、この地域のまちづくりの推進について努力してまいります。    〔清掃局長植野正明君登壇〕 ◯清掃局長(植野正明君) 医療廃棄物についてのご質問にお答えいたします。  初めに、感染性廃棄物の病院内処理の実態についてのお尋ねでございます。  感染性廃棄物の処理には、病院等が焼却や高圧蒸気滅菌等により、施設内でみずから滅菌した上で処理業者に委託するものと、滅菌処理も含めて処理業者に委託するものがございます。平成三年度に公、私立病院を対象として実施した抽出調査結果によりますと、院内で滅菌の上委託処分をした病院が六三%、滅菌処理を含めて業者に委託した病院が三七%となっております。  次に、感染性廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分の実態とその検証についてのお尋ねでございます。  病院から排出される感染性廃棄物は、許可を受けた専門の処理業者により収集運搬され、焼却等により滅菌処理した上、埋立処分をされております。感染性廃棄物の処理委託に当たっては、平成二年四月から導入された医療廃棄物処理ガイドラインに基づくマニフェスト制度によりまして、関係者間での処理処分の検証が行われております。都といたしましては、今後とも立入検査を通じて、処理状況の確認、把握等を行い、適正な処理の確保に努めてまいりたいと存じております。  次に、新たな制度である特別管理産業廃棄物管理責任者の定着に向けて努力すべきとのお尋ねでございます。  感染事故を防止し、感染性廃棄物を適正に処理するため、廃棄物処理法の改正によりまして、平成四年七月四日から、新たに特別管理産業廃棄物管理責任者の設置が医療関係機関に義務づけられたところでございます。都といたしましては、この法改正の趣旨及びご提言を踏まえ、関係者の理解と協力を得ながら、新制度の早期定着に向けて努力してまいる所存でございます。    〔労働経済局長井上修一郎君登壇〕 ◯労働経済局長(井上修一郎君) お答えを申し上げます。  まず、国の新政策への取り組みと東京都の農業振興策との関係についてのお尋ねでございます。  国の新政策は、稲作を中心とする農業地域を対象とした土地利用型農業の政策展開を示しているところであります。このため、畑作中心の都市型農業を展開しております東京農業には、すべてが当てはまるものではございませんけれども、法改正などで示されております担い手対策の充実、あるいは融資制度の拡充、農地保有合理化法人の活動の充実などにつきましては、東京農業の課題と共通するものがあると認識をいたしております。  次に、東京の農業従事者の農業所得と労働時間についてのお尋ねでございます。  農林水産省の農家経済調査報告によりますれば、都におきます平成二年の年間農業所得は、農家一戸当たり百万三千円でございます。その収入を得るために、農業に従事をしている家族の労働時間数の合計は、平均千九百九十時間となっております。新政策では、農業を魅力あるものとするため、主な従事者の年間所得の目標を八百万円とするとともに、年間労働時間を他産業並みの千八百時間から二千時間の水準に設定をしているところであります。東京都におきましては、この目標も参考にしながら、農業経営の改善に努めてまいりたいと存じます。  次に、農産物の価格安定についてのお尋ねでございます。  ご指摘のとおり、安定した所得を確保をしていくためには、農産物の価格安定が必要でございます。現在、東京都におきましては、市場価格が一定基準額以下に低下した場合、特定の主要野菜につきまして補給金を交付いたします野菜供給確保対策事業などを実施いたしまして、生産者への対策を講じているところであります。  また、輸入農産物につきましては、東京都中央卸売市場における輸入野菜の入荷量は、平成三年で三万一千トン、全入荷量の一・七%に当たります。また、品目もサヤエンドウ、カボチャ、アスパラガス等が中心となっていることから、コマツナ、ホウレンソウ等の軟弱野菜を中心とした都内産の野菜への影響は、現時点では少ないものと考えております。  次に、東京の農業振興策についてのお尋ねでございます。  東京の農業の規模、立地条件などから見ると、法改正が予定をいたしております規模の拡大や機械化などの影響は少ないものと考えます。都といたしましては、新政策の動向を見きわめながら、今後予定をされております農林漁業振興対策審議会の答申を踏まえまして、東京の農業の実情に即した独自の農業振興プランを策定するなど、東京農業の振興に努めてまいりたいと存じます。    〔環境保全局長竹尾格君登壇〕 ◯環境保全局長(竹尾格君) お答えいたします。  緑地保全のための税制改正の取り組みについてのお尋ねでございます。  現存する緑地の保全を図る上で、固定資産税負担の軽減など税制面での配慮が必要なことは、ご指摘のとおりでございます。都は、これまでも機会をとらえて、国に税制度の改善を要望してきたところでありまして、環境庁はその必要性を認識して積極的に取り組む意向を示しております。今後とも、他府県とも協力しつつ、国に対し強く働きかけてまいります。  次に、保全地域の指定範囲を拡大すべきではないかとのお尋ねでございます。  小規模な緑地につきましても、崖線緑地のように、連続性の認められるものについては順次指定していくこととしておりまして、その他の小規模な緑地につきましても、その性格や地域の実情に照らして、保全地域として指定することが適当であると考えられるものについては、指定する方向で検討してまいります。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) お答え申し上げます。  初めに、公営住宅の入居収入基準の見直しについてのお尋ねでございます。  公営住宅の入居収入基準は、政令によりまして全国一律に定められており、都では、毎年国に対して、東京における所得水準や住居費水準等を考慮し、収入基準を引き上げるとともに、地域別の収入基準を設定するよう要望してきたところでございます。今後とも、ご提言の趣旨を踏まえ、強く国に働きかけてまいります。  次に、中小河川に隣接する都営住宅の建設についてのお尋ねでございます。  都営住宅の建設に当たりましては、これまでも地域の都市景観に配慮した整備を行ってきているところでございます。ご提案の河川の水辺環境に配慮した住宅の建設は、快適な居住環境の整備や景観形成の面から効果的であると考えられます。今後、建設局等の事業と調整を図りながら、具体的な住宅立地に応じて検討してまいります。      ─────────── ◯副議長(菅原宗一君) 六十八番山崎孝明君。    〔六十八番山崎孝明君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯六十八番(山崎孝明君) 清掃問題についてお伺いいたします。  知事は、今回の施政方針演説の中で、中間処理については、臨海副都心地区の清掃工場の建設を進めるほか、港、豊島など新設四工場の用地取得を行うこととし、墨田、世田谷地区及び台船式の三工場については関係区の理解と協力を求めつつ、できる限り早期に都市計画決定等の手続に入れるよう最大限の努力を払う所存であると決意を述べられております。  しかしながら、都の計画した三工場の建設のめどが立っていない現状を考えると、平成七年度末の全量焼却は不可能になったと思わざるを得ません。三工場建設に対する住民の反対運動を見るとき、かつてのごみ戦争を思い起こすのであります。当時、杉並の清掃工場の建設に対して、住民の反対がごみ戦争の発端でありました。都は、二度とごみ戦争を起こさぬよう最大限の努力と配慮をしなければならないと思うのであります。  一方、平成八年度供用開始予定の新海面処分場の建設が万一おくれることになれば、どのような事態が発生するか、極めて重大であります。新海面処分場には可燃ごみを捨てないという大方針も決定しております。そこで、七年度末まであと三年、こうした現状の中で都の方針が間違いなく堅持できるかどうか、お伺いをいたします。  次に、蛍光灯、水銀灯の処理についてお尋ねいたします。  現在、日本国内で生産されている蛍光灯は、年間約三億本と推定されております。このうち適正処理されている蛍光灯は約五千万本、適正処理されていない二億五千万本は、一般廃棄物として処理されていると思われます。そのうち、東京都内がその約一割とすると、年間二千五百万本が不適正処理であります。また、二十三区内の一般家庭数三百四十六万世帯が年間一・五本の廃蛍光灯を分別ごみとして捨てていると考えると、五百二十万本が毎年毎年中央防波堤外側処分場に投棄されていることになるわけであります。  ちなみに、四十ワット蛍光灯には検液リットル当たり一八ppmもの水銀が含まれております。水銀は、埋め立てた場合は地中に沈んでいきますが、三十五、六度の熱で水銀蒸気となって大気中に放出される有害な物質であります。  そこで、お伺いいたします。  都道の廃水銀灯、都施設の廃蛍光灯、事業所の蛍光灯の処理はどうなっているのか。そして、中央防波堤外側処分場に一般廃棄物として捨てられている大量の蛍光灯の水銀の安全性はどうか。また、松戸市や幾つかの市で行われている蛍光灯の分別収集について、都はどう考えておられるか、お伺いをいたします。  次に、産業廃棄物の中間処理についてお尋ねいたします。  産業廃棄物の排出量は、一般廃棄物の約四倍と推定されております。産業廃棄物の処理は事業者責任が原則でありますが、中間処理施設の不足と他県の規制の強化により、特に中小企業の産廃処理は大変困難な事態に追い込められております。  国は、昨年、特定施設整備促進法を制定し、都も産業廃棄物公共関与検討委員会を設置して検討中と聞いております。私は、産業廃棄物についても事業者責任の原則から一歩踏み出し、行政がより一層積極的に関与しなければならないときに至っていると考えますが、ご見解をお示しいただきたい。  また、民間が建設を進める中間処理施設について、都はどのような支援策を講じる考えがあるか、お伺いをいたします。  質問の第二点。地下鉄東西線南砂町駅前開発についてお伺いいたします。  この南砂町駅は、日本橋からわずか九分という交通利便性の高い駅でありながら、駅前にはタクシーやバスが入らず、また駅前に公園や少年野球場があるため、夜間は女性が一人では乗りおりができないほど寂しい駅周辺の状況であります。長い間地元から駅前広場の建設の要望がありますが、下水道局のポンプ場が駅出入り口に隣接しているため、実現に至らずに来ました。  本年二月に東京都住宅対策推進本部が発表した平成五年度から七年度までの公共施設と公共住宅との合築推進計画によると、南砂三丁目の砂町雨水調整池に区民施設との合築で百戸の公共住宅の建設が平成七年度に予定されております。  そこで、こうした計画とあわせて道路等の都市基盤施設を整備していくことが重要だと考えますが、まず環状四号線の駅前までの延伸については、いつごろ完成する予定か、伺います。  また、住宅建設に関する雨水調整池等との合築計画の中で、駅前機能の確保を図っていくべきだと考えますが、その見通しについてお伺いをいたします。  次に、江東区新砂地区の再開発についてお尋ねいたします。  この新砂地区には、約十三ヘクタールの未利用都有地が工業専用地域の中に残っております。北側には地下鉄南砂町駅があり、今後大きな発展が期待されているところでもあります。都は、昭和六十年度に実施した調査をもとに、その後の情勢の変化を踏まえた計画の見直しとあわせて、住宅や公共施設の整備を中心とした当地区の適切な利用計画を策定するため、平成三年度に新砂地区市街地整備計画策定調査を行ったと聞いております。  また、平成三年度から地元区と幹線道路の整備、南北方向の公共交通網のあり方を検討しているとのことでもあります。  一方、この地域では既に放射一六号線の都市計画変更手続が進められ、高齢者のための複合施設も平成十一年度開設の構想が検討されているところでもあります。  今こそ、地元が長い間待っていた南砂町駅周辺のこの新砂地区において、都有地を活用したまちづくりが大きく展開するものと考えられます。そのためには、新砂地区の市街地整備計画を早期に策定することが重要と考えます。そこで、計画策定の進捗状況はどうか、お伺いをいたします。  質問の第四点として、東京都区部の新美術館についてお尋ねいたします。  現在、江東区木場公園内に建設中の新美術館は、総工費四百三十億円、収集基金七十五億円の総額五百億円のビッグプロジェクトであります。敷地面積一・五ヘクタール、建築面積三万三千平方メートルの広さを持つまさに日本一の美術館で、特に日本以上に海外での高い評価を得て注目を集めていると聞いておりますが、この新美術館の基本的考え方として、第一に、二十一世紀に向け都民の文化創造の拠点として、国内及び国外に誇り得る首都東京、国際都市東京の文化の核となるシンボル性を持った施設であること、第二に、地域との調和、第三に、お年寄りから子供、身体の不自由な人を含めて、親しみやすさを求めております。  そこで、お伺いいたします。  新美術館は、日本を中心とした現代美術の動向を体系的に展望できる美術館であると、その意義をうたっておりますが、かなり専門的な傾向が強くなりはしないかと危惧されるところであります。一人でも多くの人々に美術館に来ていただき、あるいは都内の小中学生が美術の授業の一環として見学に来るには、現在収集している作品で十分であるかどうかであります。例えば、山梨県立美術館は、ミレーの「種をまく人」一枚で多くの人々を全国から集めることができております。一般都民にとって、ともすればなじみの少ない現代美術に関心を持ってもらい、多くの人に来館してもらうには、美術全集に載っているような、あるいは小中学校の教科書に載っているような著名な作家の代表作品、つまり世界的名画を、これをたとえ高価であろうとも思い切って購入し、常時展示しておくことが必要と考えるが、ご所見をお聞かせください。  また、近年、視覚障害者への美術鑑賞への配慮が検討され、公立美術館でも、触れる彫刻の展覧会を開催したりするなどの取り組みを始めた館もあります。また、アメリカでも視覚障害者への美術普及活動はかなり進んでおります。新美術館は、視覚障害者に対してどう対応していくのか、お伺いをいたします。  次に、広範な都民に現代美術に親しんでもらうには、展示活動の充実やユニークさも大切でありますが、館へ行く交通アクセスの整備も大切であります。新美術館は地下鉄新宿線菊川駅と地下鉄東西線木場駅の中間にあり、徒歩で十分から十五分はかかります。これからの本格的な高齢化社会の到来を考えると、交通アクセスの整備、例えば路線バスの新設等を検討できないかどうか、お伺いいたします。  また、木場駅や菊川駅からの誘導標示が必要と思うが、美術的な、あるいは芸術的な誘導サインをつけるべきと考えるが、ご見解をお聞かせください。
     最後に、Jリーグに関してお伺いいたします。  日本全体が不景気の中、暗い話題が多い昨今、スポーツ界は華やかな明るいニュースで国民を沸かせてくれております。相撲の曙、若貴兄弟、巨人の松井や一茂、ノルディックスキーの金メダル獲得など、こうした中でことし五月にはJリーグが開幕しようとしております。  現在サッカーは子供から大人まで広範な人気を持ち、特に小中高校のサッカー人口は野球をしのぐほどになり、青少年の健全育成と夢の受け皿として最適なスポーツであります。  昨年、日本プロサッカーリーグ、Jリーグが設立され、この五月に開幕されますが、Jリーグはフランチャイズ制の確立を重視して、チームが地域と密接な関係を持ち、地域住民と深い交流を持つことを必須の条件としております。現在十チームが加盟し、十年後をめどに十六チームまでふやす考えと聞いておりますが、従来、東京都に加盟登録していた日本リーグの有名チームが、千葉県や神奈川県、埼玉県へと本拠地を移してしまいました。これは、一万五千人以上の観客を収容し、夜間照明のあるスタジアムの確保がJリーグ加盟の条件でありますが、首都東京にはこの条件を満たすスタジアムがないことによるものであります。プロ野球には、後楽園や神宮をフランチャイズにする巨人やヤクルトなどがありますが、プロサッカーはすべて地方都市に移っていってしまいました。首都東京、国際都市東京にJリーグがないことは、東京の子供たちの夢を壊すことにもなりかねません。また、東京の子供たちは身近でJリーグを見に行くこともできません。  そこで、サッカー人口の急激な増加や青少年の健全育成のためにも、埋立地等に本格的なサッカー場を建設することを強く要望して、私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 山崎議員の一般質問にお答えいたします。  新海面処分場についてのお尋ねであります。  平成七年度末の全量焼却達成が極めて厳しい状況にあることは、ご指摘のとおりであります。しかしながら、新海面処分場については、可燃ごみを未処理のまま持ち込まないことが基本方針であり、今後とも、清掃工場の建設に全力を挙げて取り組むとともに、ごみの減量、リサイクルを強力に展開するなど、あらゆる施策を講じてこの方針を堅持してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) 新砂地区の市街地整備計画策定についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  都は、平成三年度に約百三十ヘクタールの地域を対象として、新砂地区市街地整備計画策定調査を実施いたしました。その中で、当該地区のまちづくりを推進する上で重要な役割を担う約十三ヘクタールの都有地の有効活用につきましても、検討を行っているところでございます。今後は、この調査結果を踏まえまして、地元江東区を初め関係機関と協議、調整を図りながら、できるだけ早期に市街地整備計画を策定してまいりたいと考えております。    〔清掃局長植野正明君登壇〕 ◯清掃局長(植野正明君) 初めに、都の施設等の蛍光灯などの処理についてのお尋ねにお答え申し上げます。  ご指摘の使用済みの水銀灯や蛍光灯は産業廃棄物でございまして、新都庁舎の場合、東京都環境整備公社に委託して民間処理施設に搬入し、水銀の回収を行っております。都道の水銀灯は、産業廃棄物処理業者に委託して処理しているところでございます。また、民間の事業所におきましては、主として産業廃棄物処理業者に委託するなど、排出者の責任において処理している状況にございます。  次に、埋立処分場で処分している蛍光灯などの安全性についてのお尋ねでございますが、東京都区部において家庭から排出される蛍光灯などは、ご指摘のとおり、不燃ごみとして収集し、埋立処分しているところでございます。  埋立処分場におきましては、大気環境等の調査を定期的に行っておりまして、平成三年度の調査では大気中の水銀濃度は世界保健機関のガイドラインで示されている数値の約千分の一でございまして、特に問題はないと考えております。  次に、他都市で行われている蛍光灯などの分別収集についてのお尋ねでございます。  松戸市など一部の都市において、蛍光灯などが有害ごみとして収集、処理されていることは承知しております。このことは、中間処理施設及び最終処分場の状況など、各都市の実情に応じて対応しているものと考えております。  次に、産業廃棄物の中間処理施設への公共関与についてのお尋ねでございます。  産業廃棄物は、基本的には排出事業者に処理責任が課せられているところでございます。しかしながら、現下の厳しい産業廃棄物問題に適切に対処するためには、一定の公共関与が必要であると認識しております。このため、都はこれまでも自己処理が困難な中小企業を対象に、中央防波堤埋立処分場に廃棄物を受け入れてきたところでございます。  ご提言につきましては、今後、東京都産業廃棄物公共関与検討委員会の報告を踏まえて、結論を得てまいりたいと考えております。  次に、民間の中間処理施設設置に係る支援策についてのお尋ねでございますが、産業廃棄物の適正処理と資源化を推進するためには、都内においても民間の中間処理施設が円滑に整備されることが必要であると考えております。しかしながら、現実には住民合意を得ることが難航するなど、設置に当たっては厳しい状況にあることも承知しております。  都といたしましては、今後とも、これらの施設の整備を促進するため、設置者に対し、住民の理解と協力が得られるよう一層努力することを促すとともに、適切な助言、指導を行ってまいりたいと考えております。    〔建設局長石川金治君登壇〕 ◯建設局長(石川金治君) 環状四号線を南砂町駅前まで延伸することに関するお尋ねでございます。  この路線は、都市の骨格を形成する主要な幹線道路として第二次事業化計画に位置づけられております。また、地下鉄東西線南砂町駅前開発に関連する道路としても期待されているところでございます。  この路線のうち、南砂三丁目付近から放射一六号線の間につきましては、現在、平成五年度内を目途に都市計画の変更手続を行っているところであります。  このお尋ねの区間につきましては、住民の要望を踏まえ、事業認可後、早期に整備するよう努めてまいります。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) お答え申し上げます。  地下鉄東西線南砂町駅開発における駅前機能確保についてのお尋ねでございます。  砂町雨水調整池につきましては、東京都合築推進計画に基づき、平成七年度に住宅百戸の建設を計画しているところでございます。ご指摘のとおり、南砂町駅周辺の立地条件から見て、駅前機能の整備が必要と考えており、今後、本計画の具体化に当たって、地元区や関係機関とも十分に協議をしてまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 開館準備中の都立新美術館についてのご質問にお答えいたします。  初めに、新美術館での作品収集についてのお尋ねでございます。  新美術館のために収集しております作品は、東京都美術館の多くの所蔵品も含めまして、約三千三百点でございます。戦後美術の一大コレクションになりつつあり、これらの中には教科書にも掲載されているような作家の作品も数多くございます。しかし、このコレクションをさらに魅力あるものとするためには、その中核となる国際的作家の代表作を収集する必要があり、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、新美術館での視覚障害者の美術鑑賞等への配慮についてのお尋ねでございます。  視覚障害者に配慮した展覧会や教育普及活動を実施することは、美術館を多くの人々に開かれた施設とするために意義のあることでございますので、新美術館におきましても、さわれる彫刻展の開催や視覚障害者のための解説など、他館の先駆的な活動を参考にしながら、視覚障害者への美術鑑賞に配慮してまいりたいと存じます。  次に、新美術館への最寄り駅からの誘導標示についてのお尋ねでございますが、ご指摘のように、最寄り駅から新美術館までの間に環境と調和し、利用者にわかりやすい建物への道筋や催し物の案内標示が必要であると考えます。今後、ご提案の趣旨を踏まえ、関係機関の協力を得ながら、新美術館のサイン計画とも調和した誘導標示の設置について検討してまいりたいと存じます。    〔交通局長宮端清次君登壇〕 ◯交通局長(宮端清次君) 新美術館への交通アクセスの整備についてお答え申し上げます。  新美術館前を通る都営バス路線といたしましては、現在、路線名、業の10系統が、JR新橋駅から営団地下鉄東西線木場駅及び都営地下鉄新宿線菊川駅を経由して、東武伊勢崎線業平橋駅までの間を運行しております。  今後、新美術館の開館時におけるお客様の利便向上を図るために、その乗客数を見きわめながら、運転回数や停留所名等について総合的に検討してまいりたいと存じます。 ◯議長(小林かんじ君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。    午後三時五十五分休憩       ━━━━━━━━    午後四時二十五分開議 ◯議長(小林かんじ君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続行いたします。  八十八番前島信次郎君。    〔八十八番前島信次郎君登壇〕 ◯八十八番(前島信次郎君) 私は、当面する都政の課題について、知事並びに関係局長に伺います。  初めに、中小企業対策であります。  都内の最近の経済情勢は、かつてない深刻な不況感が漂い、ちまたでは七・五・三不況とまでいわれております。すなわち、今の不況から立ち上がるのには不動産は七年、銀行は五年、証券は三年かかるといわれているほど、不況の厳しさを物語っております。特に設備投資の冷え込みに加えて、景気を左右する消費の低迷など、回復の兆しが見えない状況が続いております。  平成四年の都内の企業倒産は、負債額一千万円以上で、前年比五三・一%増の三千五百十三件にも及び、昭和五十五年の三千四百五十件を上回る過去最高となっています。下請、孫請など、連鎖倒産への影響が懸念されているところであります。  こうした状況を踏まえて、我が党の江戸川総支部では、去る二月六日から十日間にわたり、区内三百六十一カ所の事業所を対象に、緊急中小企業のアンケート調査を直接面接方式で実施したところであります。その結果、ある程度の予測はしていたものの、この調査が物語る一層厳しい状況が見られたのであります。経営状況についての設問では、全体の六七%の事業所が経営の悪化を訴えております。さらに、企業ごとに、仕事量、収益についての設問では、約六割の企業が一〇から三〇%の売り上げ減少が見られ、製造業では実に九割に及ぶ企業が三〇から五〇%の仕事量が減少したことを訴えておりました。  そこで、知事に伺います。複合不況といわれている今日の都内中小企業を取り巻く景気の状況をどのようにとらえ、お考えになっているか、ご所見を伺います。  次に、都として、できる限りの景気浮揚対策を推進すべきと考えます。その第一は、公共事業の前倒しに力を入れるべきだと考えます。今こそ、景気を浮揚させるためには、すそ野が広く、景気への波及効果が大きいといわれている住宅建設を含め、公共事業の前倒しを打ち出す時期と考えますが、いかがでしょうか。  第二は、分離分割発注の推進であります。これまでも既に実施されているところでありますが、都全体の仕事量を考慮すれば、たとえ小規模な仕事であっても、分離分割発注することによって、一つの企業には大きな支援となり得ると考えます。工事発注だけではなく、物品の購入に当たっても、消費経済の活性化の一つの呼び水となると思います。分離分割発注を推進し、中小企業の経営の安定化に資することが必要と考えます。ご所見を伺います。  次に、保証協会の積極的支援について伺います。  都においては既に三次にわたり、特別緊急融資が実行され、予想以上の申し込みがあり、今日の資金繰りの厳しい一面が如実にあらわれたものと考えます。今、経営者が金融機関の窓口へ融資の相談、申し込みに行きますと、保証協会の保証がいただければ、との返事が多いようであります。それだけ保証協会が頼りにされているといえます。協会としても、融資への合理性と中小企業への支援という公共性をどう調整するか、厳しい課題であると思います。信用保険法が近く改正することなど、保険公庫との関係もあるとは思いますが、こうした時期にこそ、無担保枠等も含めて多くの企業者が救済されるよう、保証協会が一層の保証促進を行うよう、都として指導すべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、融資の申込手続の簡素化についてであります。  今日の情報化の時代から考えれば、過去に利用実績があれば、十分にその企業のデータは既にインプットされていると考えられます。申込時期の書類の簡素化を積極的に行うべきと考えますが、ご所見をお伺いします。  次に、制度融資の改善について伺います。  例えば、小規模企業者に対する無担保無保証人融資、いわゆる小特の融資限度額は、設備資金にあっては五百万円となっておりますが、運転資金は四百五十万円に据え置かれたままになっております。緊急融資の例でも明らかなように、最近の不況の中では圧倒的に運転資金の需要が多いことからも、小特の運転資金の限度額を五百万円に引き上げることが必要であります。また、不況に伴って企業の資金需要は高額化しており、都の長期、低利な資金を最大活用するためにも、六十三年度以来据え置かれている融資限度額の引き上げが必要であると考えます。ご所見を伺います。  次に、母子保健法の改正について伺います。  我が国は、ついに一・五三人ショックといわれるように、子供の出生率が減少傾向にあり、特に都にあってはその傾向が顕著になっています。したがって、誕生した一人一人の子供たちが健やかに育つ環境づくりが大きな課題となっています。医療水準が高いとされている我が国においても妊産婦の死亡率は依然として高く、スウェーデンの二倍以上と指摘をされているところであります。  そこで、我が党は、去る一月に、母子保健法の改正に関する提言を発表したところであります。この提言では、時代の変化に対応した新しい母子保健活動を展開するために、一つには、安心して出産、育児が行えること、二つには、小児期における健康の基礎づくり、三つには、父性の参加、四つには、女性の社会進出、五つには、国際化への対応という観点であります。昭和四十年に制定された今日の母子保健法を見直すべきだと考えております。  私は、その中でも妊娠中毒症などに対処するために、妊産婦の健康診査を年六回に拡大するほか、安全な出産を確保するための体制の整備として、周産期集中管理室や総合母子医療センター、ドクターカーによる妊産婦の搬送体制の確立が急務ではないかと考えております。  そこで伺います。  第一に、都としては、母子保健法の改正の必要性について、どのように考えているのか、さらに、国においてはどのようになっているか、改正の動きについてもお伺いをしたいと思います。  第二に、安全な出産を確保するための体制の整備についてでありますが、妊娠、分娩時の突発的な緊急事態に備え、妊産婦の搬送等の連絡体制を確立することが重要であると考えます。現在、都における新生児救急体制の整備はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいのであります。  第三に、都立病院は区部では、母子医療を柱とした大塚病院を中心に、周産期医療を行っております。多摩地域では清瀬小児病院、八王子小児病院が中心になって、新生児救急医療体制の中で重要な役割を果たしております。しかし、区部東部地域においてはその対応が不十分ではないかと心配されております。  そこで伺います。当面は、墨東病院における周産期医療の充実が必要と思いますが、ご所見を伺います。  次に、二次保健医療圏における病院の必要病床数の整備について伺います。  都の計画によると区部東部に当たる墨田、江東、江戸川区の三区の人口に対する必要病床数は、平成元年二月の時点で算出すると七千五百三十二床となっております。しかし、既存の病床数は、墨東病院を含めても六千四百十九床しかなく、千百十三床の不足が見られるのであります。隣接した区部東北部、荒川、葛飾、足立区には既に平成二年度に東部地域病院が開設され、多くの都民から感謝されているところであります。  そこで伺います。病床不足地域の中でも、特に江戸川区葛西方面は若年層を含め人口増加が著しい地域でもあります。こうした地域にこそ大型の医療施設がぜひとも必要な時期に来ていると思います。将来の見込みも含めて、ご所見を伺います。  次に、公共交通の整備について伺います。  便利で快適な交通機関の充実は多くの都民が切望しているところであります。これまでも都における交通網の体系は、都心から副都心を経て周辺地域へと伸びる放射線状の路線が中心となっていました。しかし、近年、周辺区では、人口増加が著しくなるにつけ、環状方向への交通網の必要が高まっています。例えば、江戸川区内の南北への移動を見ても、場所によっては、一度都心部に出て、再び区内の目的地へ向かうといった不便さを余儀なくされているのが現状であります。こうした環状方向への交通網の整備については、これまで何回となく都議会で質問が行われ、話題にもなったことがあります。多心型都市を目指す都の基本姿勢から見れば周辺部の交通機関の整備こそ均衡ある東京づくりの重要課題と考えます。  都においても、平成三年度より区部周辺部における環状方向の公共交通導入の可能性についての基礎的な調査が実施されていると伺っております。既に調査や検討を繰り返す時期はもう過ぎていると考えます。環状方向への新たな交通網導入を前提とした、一つ一つの課題の克服こそ大事ではないでしょうか。  そこで、これまでの調査の状況についてお伺いいたします。  次に、ルートについてでありますが、これまで、環状七号線に沿って、江戸川、葛飾、足立区方面への要望が多いことから、このルートについて十分検討すべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、バス交通路の充実について伺います。  江戸川区内では、区民の足としてバスを利用する機会が大変多く、身近な交通手段として利用されているところであります。しかし、自動車交通量の拡大により、朝夕の通勤、通学時にはバスの定時運行に支障が見られることが多くなっています。もとより、バス運行を確保するためには抜本的な道路の整備を図ることが先決であります。そこで、当面、利用者が安心して利用できるよう、現在、都が取り組んでいるバスロケーションシステムの拡大を江戸川区内の主要道路に積極的に促進すべきではないかと考えます。ご所見を伺います。  次に、バスの停留所の整備について伺います。  雨の日や寒い風の日など悪天候のときは、屋根つきバス停は利用者にとって大変喜ばれているところであります。そこで、この事業を利用者の立場に立って積極的に進めるべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、現在事業中の都市計画道路放射三一号線、通称今井橋通りの事業促進について伺います。  この道路は、都心と千葉方向を結ぶ幹線道路として、また、今井地域と江戸川区中央部の骨格をなす道路として、その整備促進が迫られております。しかし、いまだ未開通のため、朝夕のラッシュ時には瑞江大橋周辺を中心に著しい道路混雑が生じています。このため、歩行者の安全問題や商店の営業活動にも大きな影響が生じているなど、地域での重大な問題となっています。地元の発展のためにも、早急な事業促進を図るべきと考えます。事業の進捗状況及び今後の見込みについてお伺いいたします。  以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 前島議員の一般質問にお答えいたします。  まず、都内の景気動向についてのお尋ねであります。  最近の都内の景気動向は、各種の経済指標の動きや、企業に対する景況調査の結果から見ますと、鉱工業生産が十五カ月連続でマイナスとなるなど、引き続き在庫調整が必要な局面が続いており、企業の設備投資意欲も依然冷え込んでおります。また、消費も近来になく低迷しており、お話のように、景気回復の兆しが見えない状況が続いております。こうした中で、企業の倒産が多発するなど、都内の中小企業を取り巻く環境は大変厳しいものがあると認識いたしております。  次に、公共事業の前倒しについてのお尋ねであります。  低迷する景気を早期に回復させ、厳しい環境に置かれている中小企業の経営の安定を図ることは、現下の緊急課題であります。平成五年度予算の執行に当たりましては、ご指摘の景気への波及効果が大きい住宅建設を含め、公共事業の前倒しについて、実施に向け準備を進めるなど、都として、景気対策に全力を挙げて取り組んでまいります。  その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) 区部東部地域の環状方向の公共交通機関の調査の状況についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
     都におきましては、平成三年度より、区部東部地域の環状方向の公共交通機関の導入の可能性につきまして基礎的な調査を実施しております。平成三年度は、この地域におきます都市交通の現状と課題及び将来のあり方等について検討を行い、今年度は引き続き、整備効果等につきまして調査を実施しているところでございます。  次に、ルートについてのお尋ねでございます。  新しい交通機関を導入するに当たりましては、輸送需要、導入空間、採算性等、解決すべき課題がございます。お尋ねの環状七号線のルートにつきましても、導入空間の案の一つとして、現在実施中の調査の中で総合的に検討してまいります。    〔財務局長齊藤薫雄君登壇〕 ◯財務局長(齊藤薫雄君) 分離分割発注についてのお尋ねでございますが、都は、従来から分離分割発注の推進に努めてきたところでございます。  小規模工事や物品購入につきましても、ご指摘の趣旨を踏まえまして、可能な限り分離分割発注に努めまして、中小企業の受注機会の拡大を図ってまいりたいと存じます。    〔労働経済局長井上修一郎君登壇〕 ◯労働経済局長(井上修一郎君) お答えを申し上げます。  まず、東京信用保証協会の保証促進についてのお尋ねでございます。  景気の低迷する中で、保証つき融資であります都の制度融資への資金需要は強いものがあり、信用保証協会の果たす役割が大きいことはご指摘のとおりでございます。都といたしましては、これまでも保証業務の実施に当たっては、現在の中小企業の置かれている厳しい経営環境や事業の将来性等を十分配慮し、弾力的に対応するよう指導してきたところでございます。今後とも、信用保証協会に対する指導、支援を行い、中小企業金融の円滑化に努めてまいります。  次に、融資申込書類の簡素化についてのお尋ねでございます。  これまでも、信用保証協会においては、信用保証委託申込書の様式の統一化を図るとともに、従来添付しておりました月々の損益試算表の提出を省略するなどの簡素化に努めてきているところであります。今後とも、コンピューターの活用などについて、取扱金融機関や信用保証協会と十分研究し、申込書類の簡素化について一層努力してまいります。  次に、制度融資の融資限度額の引き上げについてのお尋ねでございますが、最近の不況のもとで、経営の維持を図るための運転資金に対する需要が旺盛であり、制度融資の融資限度額の引き上げの要望が強まっていることはご指摘のとおりでございます。このため、都としては、信用保険法の改正を機会に、平成五年度から無担保無保証人融資を四百五十万円から五百万円、経営改善資金融資や環境変化適応資金融資を六千万円から八千万円にするなど、昭和六十三年度以来据え置かれております制度融資の融資限度額を全面的に引き上げ、中小企業の資金需要にこたえていく考えであります。    〔衛生局長中嶋理君登壇〕 ◯衛生局長(中嶋理君) 保健医療に関する四点のご質問にお答えをいたします。  第一に、母子保健法の改正についてのお尋ねでございますが、近年、核家族化や都市化の進行、女性の社会進出など、母子を取り巻く社会環境は大きく変化をいたしております。このような状況の中で、都としては母子保健対策の充実が重要な課題であるというふうに考えております。そのため、東京都児童福祉審議会に、子育て支援のための新たな児童福祉、母子保健施策のあり方について諮問をいたしまして、昨年十一月、父親も参加しやすい両親学級や新生児期の育児支援などを実施すべきとの答申をいただいたところでございます。この提言をもとに現在、親の育児体験学習を実施しているところでございます。  一方、国におきましては、地域に密着したきめ細かな母子保健サービスを提供するため、三歳児健康診査等の事業を市町村に移譲する方向で母子保健法の改正を検討しているというふうに聞いております。都としては、国の動きを踏まえつつ、時代の要請にこたえた母子保健対策の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。  第二に、安全な出産を確保するための体制の整備等についてのお尋ねでございます。  安全な出産を確保し、妊産婦及び新生児の死亡率を低下させるためには、母子保健医療体制の充実が重要であるというふうに認識をいたしております。現在、都は、妊産婦の異常の発生防止と早期発見のため、妊産婦の健康診査、ハイリスクの妊産婦訪問指導を実施いたしております。また、母子救急活動を支援するため、都立母子保健サービスセンターに情報システムを整備し、高度母子医療機関の診療情報を東京消防庁や母子医療機関等へ提供しているところでございます。新生児救急につきましては、都内の医療機関で出生した新生児、未熟児の救急患者を対象に、休日及び土曜日の夜間における専門医療を確保するため、都内十七病産院の輪番制による新生児救急医療事業を実施いたしております。今後とも、母子保健医療体制のより一層の充実に努めてまいります。  第三に、都立墨東病院の周産期医療の充実についてのお尋ねでございます。  都立墨東病院は、区東部地区における唯一の都立総合病院として、救命救急センターを中心とする救急医療、心臓病医療、難病医療などを重点に、都民医療の確保に努めております。また、墨東病院は現在、,93総合実施計画に基づきまして、老朽化、狭隘化した病棟の改築計画に取り組んでいるところでございます。周産期医療は、ご指摘のとおり、重要な課題と考えておりまして、病棟改築計画の中でその機能の充実について検討してまいります。  第四に、区東部地域における大型の医療施設整備についてのお尋ねでございます。  都は、これまでこの地域に不足している医療を提供するための中核病院として東部地域病院を設置いたしましたほか、都立墨東病院についても機能の充実を図ってきたところでございます。しかしながら、ご指摘の江戸川区、江東区、墨田区で構成される区東部保健医療圏は、なお病床不足圏域となっております。今後とも、地域医療機関等の協力を求めながら、病床の整備に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。    〔交通局長宮端清次君登壇〕 ◯交通局長(宮端清次君) バス運行管理システム等の整備についてお答えいたします。  まず、バスロケーションシステムの拡充についてでございますが、バスロケーションシステムは、バス接近表示つき停留所の設置や運行管理機能の向上などにより、お客様のバス待ちのいらいら感を和らげるとともに、バスの適正運行を図ることを目的として導入したものでございまして、現在、都市新バスの七系統を含め、十三ルートを運行しております。  交通局といたしましては、新たなバスロケーションシステムの拡充策として、本年三月三十一日から、葛西駅前から錦糸町駅前間を運行する錦の25系統に導入すべく、現在、鋭意その準備を進めているところでございます。今後とも、一層お客様へのサービス向上を図るため、可能な限りこのシステムを拡充してまいりたいと存じます。  次に、バス停留所上屋の整備についてでございますが、交通局におきましても、これまでお客様に快適、便利にバスを利用していただくための施設として、道路占用許可基準に合致すること、道路使用許可が得られること、停留所地先の了解を得られること等の要件を満たす箇所を選定いたしまして、順次、上屋の増設を図ってきたところでございます。この結果、本年三月末現在で約八百棟となる見込みでございます。  今後とも、上屋の設置可能な停留所につきましては、ご指摘の趣旨を踏まえ、計画的に増設を図ってまいる所存でございます。    〔建設局長石川金治君登壇〕 ◯建設局長(石川金治君) 都市計画道路放射三一号線、通称今井橋通りの整備についてのお尋ねでございますが、この路線は、都心と千葉県とを結ぶ幹線道路でありますし、また、区部東部のまちづくりの基盤となる重要な路線でもありますので、従前から鋭意事業を促進してきたところでございます。  現在、用地につきましては約九三%取得済みであり、工事につきましては、中川にかかる橋梁及び取りつけ道路の下部工事を施行しているところであります。今後とも、地元地権者等の理解と協力を得て、早期完成に努めてまいります。      ─────────── ◯議長(小林かんじ君) 十五番植木こうじ君。    〔十五番植木こうじ君登壇〕 ◯十五番(植木こうじ君) 最初に、福祉のまちづくりについて伺います。  高齢者、障害者にとって東京は、至るところにある段差や階段、朝夕の通勤ラッシュなど、一人ではとても出歩ける町ではありません。先日、東京都生活と健康を守る会連合会が行った都内の各駅、バス停などの一斉点検調査でも、七十数段もの階段、エレベーターやエスカレーターもない、障害者に不便な自動改札、点字による行き先表示、案内板、誘導ブロックがほとんどないなど、高齢者や障害者に冷たい都会の実態が浮き彫りにされているのです。  知事、優しいまち東京といいながら、あなたがいう世界都市東京は、高齢者、障害者が自由に往来する権利を否定された町なのであります。  今定例会に、福祉のまちづくり整備指針の一部を条例化するため、東京都建築安全条例の改正案が提出されたことは、都民の運動の反映ではありますが、対象は公共建築物やデパート、ホテルなど、都民が多数出入りする特殊建築物の新築の際の構造基準に限定したもので、福祉のまちづくり条例といえるような広い枠組みのものでないことは明白であります。  八八年に出された福祉のまちづくり整備指針についても、その実効性が担保されていないのであります。  例えば、この新都庁舎周辺は、福祉局が同じ八八年に、まちづくり整備指針に基づく改善への基礎資料とするために整備状況に関する調査を行いましたが、五年後の今日の状況はどうでしょうか。問題点、改善点が明らかとなり、それぞれ関係の事業者などに報告されているにもかかわらず、多くの点で改善されていません。  先日、私も現場を確認いたしましたが、例えば新宿駅西口地下広場にも、都庁に向かう地下道にも、誘導のブロックは一切ないし、地上に出るにはすべて階段、バス停の行き先表示も点字はありません。それどころか、地下広場の床面タイルが各所ではがれっ放しで、もしつまずきでもしたらと、高齢者や障害者の通行には危険すら感じられる状況になっています。都が、今日に至るまで追跡調査をしていないことも問題ですが、都庁の入り口の新宿でさえ、義務づけのない整備指針だけではこのありさまです。  既に大阪府、兵庫県などでは福祉のまちづくり条例を制定し、自治体、事業者の責務を明確にするとともに、事前協議、改善計画の策定、変更、定期報告、立入調査、勧告や公表などを定めています。  東京都においても、建築物、道路や公園など都市施設全般の改善整備を、調査、勧告、公表など、実効性を確保して総合的に進める福祉のまちづくり条例の制定が必要と考えますが、知事の見解を伺います。  また、現在の整備指針についても、関係事業者に改めて協力を要請し、実施状況の調査、公表をできるだけ多くの地域で行って、推進を図るべきと考えますが、答弁を求めます。    〔議長退席、副議長着席〕  福祉のまちづくりを進める上で、都自身が責任を負う施設について、模範を示すこともまた重要であります。そこで、知事、まず、あなたが建てたこの新都庁舎はどうでしょうか。  都の整備指針には、視覚障害者誘導用ブロックは原則として黄色を用いるとなっていますが、これは弱視者が色を頼りにブロックを識別する配慮から、当然のことであります。ところが、この新都庁舎は、障害者への配慮より、建物の美観の方が優先されたのでしょうか。誘導ブロックは、すべて周りと同じ色、壁の色も同じですから、視力の弱い障害者は、こんなに歩くのが怖い建物はないとさえいっています。都庁だけではありません。できたての都営地下鉄十二号線も、誘導用ブロックは周りと同じ色です。  また、現在、この議会棟一階正面玄関の一部を壊して、車いす用リフトの設置工事が行われていることを、知事はご存じでしょうか。新宿駅からのリフトつきバスが議事堂前停留所にとまっても、その玄関には階段しかなく、新都庁舎開設後の我が党議員団からの指摘によって、改修が決まったものです。しかし、設計の段階であれば、スロープもできたことでしょう。リフトにしても、初めからつけていれば、費用は半分で済んでいたでしょう。  知事の新都庁舎が、都自身の整備指針を守らず、高齢者、障害者に配慮が行き届いていないのでは、どうして他の事業者に福祉のまちづくりへの協力が得られるでしょうか。  都庁舎については、エレベーターのタッチ式ボタンは視力障害者には使いづらいという意見も出ています。まず、都自身が襟を正し、誘導ブロック、エレベーターなど、障害者から出ている改善要望を直ちに解決するとともに、新宿駅から都庁舎に来るまでの誘導用ブロックは責任を持って整備するなど、都庁舎周辺の再調査を直ちに行い、改善に着手すべきです。答弁を求めます。  また、区市町村に対する財政援助措置についても、長期計画での各区市町村一カ所ずつのモデル事業だけでは、求められる推進の規模に到底見合いません。この際、改善のための補助制度を確立すべきと考えます。  鉄道事業者に対しては、エスカレーター、エレベーターの設置等、計画の提出を求めるなど、強力な指導を行うべきです。見解を伺います。  ここで、高齢者福祉に関連し、私が昨年九月議会で取り上げた、保険でよい入れ歯をという問題について、簡潔に伺います。  私が、今の診療報酬では、歯医者さんが入れ歯の調整に時間がとれず、合う入れ歯がなかなかできない現状があることを指摘したところ、都側は、診療報酬は適切などと答弁されました。これがいかに現実とかけ離れた認識であるかは、その後、都内自治体の過半数となる三十三の区市町村議会で、保険でよい入れ歯ができるよう、診療報酬の改善を求める意見書などが次々と採択されていることでも明白であります。  都も率直に入れ歯の現状を認め、保険でよい入れ歯ができるよう、保険制度の改善を国に求めるべきと思うが、改めて知事の認識を伺うものであります。  また、保険制度が改善されるまで、当面、入れ歯券の発行など、適切な助成制度を講ずるべきと考えますが、見解を伺います。  次に、教育についてであります。  昨年四月から、小学校で新学習指導要領が本格実施されました。これまでの指導要領も新幹線授業といわれてきましたが、新指導要領になって、入学するまで、自分の名前が読めて書ければよいといわれて入学したはずの一年生が、平仮名さえまともに覚えないうちに漢字を教えられ、家では親から、教科書に書いてあるでしょ、先生の話を聞いていればわかるはずでしょ、としかられているという話があちこちで起きています。  しかし、子供たちが授業がわからないのは、子供たちのせいではありません。全国で最も多く採用されている教科書では、基礎の中の基礎といわれる国語教育で、平仮名五十音を、濁音を含めて、入学から二カ月で終わらせることになっており、漢字は六年間に千六字も覚えなければならないことになっています。  文化庁が発行している「『ことば』シリーズ16 漢字」という本では、日常生活で使われる漢字の八割は五百字で足りるとしているのです。それを、音で読むもの、訓で読むもの、送り仮名のあるものなど、一遍に、しかも猛スピードで詰め込まれるのです。  許せないことは、国立教育センターの幹部がNHKに出演し、三割の子供がついてくればよいと発言していることです。これは、七割の子供たちは初めから相手にされていないという驚くべき話です。  また、東京都が行った子供の未来に関する世論調査では、九割以上の親が、子供たちが授業を楽しいとは思っていないと答えるなどの結果が示されました。未来を担う子供たちの教育にかかわる学習指導要領が、このようなものでよいのでしょうか。  既に全国で、新学習指導要領の見直しや撤回を求める意見書、決議が六十自治体を超え、さらに広がりを見せています。東京でも、清瀬市など十市の議会で意見書や決議が採択されているのです。こうした声に耳を傾け、東京都は新学習指導要領を白紙撤回するよう国に求めるべきであります。  同時に、都教委は、学校の自主性を尊重し、子供たちが十分理解できる、ゆとりのある授業が行われるよう、新学習指導要領の押しつけをやめるべきです。答弁を求めます。  今日、教育委員会が憲法と教育基本法の立場に立つことが求められています。ところが、都教委は、学習指導要領の押しつけを初め、都民不在、政府、文部省のいいなりの教育行政を進めているのであります。  私の住んでいる中野区では、教育委員の準公選が始められて以来、毎週委員会を開き、そのうち月一回は傍聴者との対話を行うなど、区民参加で教育行政が行われています。昨年の暮れ行われた夜の教育委員会では、父母や教師など百七十名の参加で、性教育についての意見交換も行われました。このように中野区では、教育委員会が率先して父母の声を直接聞き、限られた権限のもとでも、施策に生かす努力をしてきたのです。  都教委は、中野区の教育行政に学び、都民にとって身近なものとなるよう、区市町村ごとの懇談会を開催するなど、都民の生の声を聞くべきであります。見解を伺います。  都教委は、中野区の教育委員候補者選び区民投票、いわゆる準公選制度について、委員会での私の質問に対して、手続的には有効に成立していると認めました。ところが、この二月に行われた準公選に対して、都教委は文部省に追随して、干渉、妨害を行ったのであります。また、自民党本部や都本部が行った投票ボイコットチラシや妨害投票用紙など、卑劣な妨害も許されないものであります。  中野区民は、このような妨害をはね返して、準公選を実施しました。この闘いは住民自治の貴重な成果であり、投票結果は中野区民の良識と期待を示したものであります。私は、中野区民がこのすばらしい準公選制度を発展させるであろうと確信するものであることを表明して、私の質問を終わりにいたします。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 植木こうじ議員の一般質問にお答えいたします。  まず、福祉のまちづくり条例の制定についてのお尋ねであります。  都は、昭和六十三年に策定した東京都福祉のまちづくり整備指針に沿って、都民及び民間企業、団体等の理解と協力を基本に、福祉のまちづくりの推進を図ってきたところであります。  福祉のまちづくり条例については、現在、区市町村や関係団体等で構成する福祉のまちづくり推進協議会の意見を聞いているところであり、その意向などを参考にして、今後検討してまいります。  次に、入れ歯に関する国への保険制度改善の要望及び都の助成についてのお尋ねであります。  歯科診療報酬については、従来から診療報酬の改定の都度、技術料重視の考え方に立ち、関連する点数を含め、引き上げが行われてきたところであります。現在、中央社会保険医療協議会で技術料評価のあり方等についても検討を行っていると聞いておりますので、その動向を見守ってまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁いたします。    〔福祉局長檜垣正已君登壇〕 ◯福祉局長(檜垣正已君) まず、福祉のまちづくりに関する民間事業者への協力要請等についてのお尋ねでございますが、都は、従来から民間事業者等に対しまして、区市町村や関係団体等で構成する福祉のまちづくり推進協議会などを通じまして、機会あるごとに協力を要請してきたところでございます。  また、実施状況の調査につきましては、福祉のまちづくりモデル地区におきまして区市町村が実施しているところでございますが、これらも含めまして、調査などのあり方について研究をしてまいります。  次に、都庁舎及びその周辺の整備についてのお尋ねでございますが、都庁舎及び周辺につきましては、福祉のまちづくり整備指針に沿って建設し、その後も改善の要望等にこたえてきたところでございます。今後とも、整備すべき箇所につきましては、関係局と協議しながら、改善を図ってまいりたいと思います。  次に、福祉のまちづくり区市町村モデル地区整備事業の拡大等についてでございますが、本事業は、平成十二年度までに、合計五十地区での実施を計画しておりまして、今後とも、計画に沿って着実に推進してまいります。  また、駅におけるエレベーター等の設置につきましては、基本的には鉄道事業者の責務でございますが、都としても、鉄道事業者に対して、これら施設の設置を積極的に行うよう要請するとともに、福祉のまちづくり区市町村モデル地区整備事業等により、設置促進を図っているところでございます。今後とも、関係者と連絡を図りながら、積極的に設置を推進してまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 初めに、新学習指導要領の撤回を国に求めよとのご意見についてでございますが、学習指導要領は、全国的に一定の教育水準を確保するとともに、実質的な教育の機会均等を保障するため、国が学校教育法に基づき、教育課程の基準として定めているものでございます。都教育委員会といたしましては、今後とも学習指導要領を尊重してまいります。  次に、新学習指導要領の押しつけをやめるべきではないかとのお尋ねでございます。  学習指導要領は大綱的な基準を示すものであり、各学校は、その枠内において地域や学校の実態に応じ、創意工夫を十分発揮すべきものでございます。都教育委員会といたしましても、このような考えに基づき、各学校が特色を生かした教育課程を適切に編成するよう指導しているところでございます。  次に、都教育委員会は、区市町村ごとの懇談会を開催し、都民の生の声を聞くべきであるとのお尋ねでございます。  都教育委員会は、教育行政を推進するに当たり、都民を代表する都議会のご審議を通じ、都民の意思の反映に努めるとともに、広く都民の意見を聞くため、各種審議会や課題に応じた委員会等を設置しているところでございます。また、教育委員は、区市町村の教育委員及び公立学校長との意見交換を行うとともに、地域の学校を訪問するなどして、地元の方々や教育関係者との懇談を行っております。  今後とも、教育行政を遂行する上で、都民や関係者の意見、要望の把握に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。      ─────────── ◯副議長(菅原宗一君) 二十九番市川たかし君。    〔二十九番市川たかし君登壇〕 ◯二十九番(市川たかし君) まず、臨海部開発、東京フロンティアの開催及びその関連事項について伺います。  臨海部開発や東京フロンティア開催問題については、今議会でもそれぞれの立場から活発な議論がなされていますが、いずれにしても、事の善悪は別として、既に共同溝、幹線道路などの基盤整備にかかわる工事が進行している現実を踏まえて、一部の皆さんの主張のように、直ちに凍結して福祉予算へ等の主張は、投資した一兆円近い資金をどぶ川に捨てろということと同じであり、到底責任ある主張とはいえません。  また、一方この計画は、幾ら抗弁しようとも、バブル経済といわれた経済状況を念頭に計画されていることは事実であり、バブル経済が崩壊し、本格的な景気の後退局面にある今日、何が何でもバブルを前提としたコンセプトのまま、現計画どおりに突き進めという主張にも無理があるのは当然であり、現状に則した見直しが求められています。  そこで、お伺いいたしますが、これらの差し迫った状況の中で、臨海副都心開発や東京フロンティア開催問題について、将来的には、知事の責任のもと、検討委員会的な組織の設置などが想定されますが、当面は、諸情勢の変化に対応した、既存の組織の活用による全庁的な取り組みが不可欠と考えます。この点についてご所見を伺います。
     ところで、この臨海部副都心を取り巻く周辺地域には、豊洲・晴海開発、汐留開発など、東京都がかかわる開発や民間における開発構想がメジロ押しです。現在、景気の後退により、民間の開発意欲は急速に停滞しているのが現状です。そこで、臨海部副都心開発と周辺の開発をどのように関連づけて整理するかが問われています。私は、それぞれの開発構想を精査し、広域的な立場で相互の関連を調整するなど、いわば都市の成長管理的方策などを導入すべきと考えますが、ご所見をお伺いをいたします。  また、既に既成市街地と連携した臨海副都心建設という基本的方向が確認をされていますが、この方針はいささかの後退もあってはならないと考えますが、改めて確認を求めます。  そこで、基本的問題はこの程度にとどめ、以下、具体的な事項について伺います。  まず、臨海部開発地域と既成の市街地とを結ぶ交通問題ですが、江東地区の南北交通対策については、地下鉄八号、十一号線や臨海高速鉄道の北上、新交通システムの延伸などを念頭に置いて総合的な調査を実施することとしていましたが、その調査の現状及び今後の見通しなどをお示しください。  また、地元要望の強かった臨海高速鉄道東雲駅の設置については、既に第一期工事での設置を決定していただきましたが、東雲駅における他の交通機関とのアクセスはどう計画されているのか、伺います。  次に、辰巳団地の再生計画について伺います。  この問題については、いわゆる未来型都市と老朽化した都営住宅が同じ地域の中で明と暗としてのコントラストを示す状況を回避しつつ、住宅政策の前進に向けて、今年度調査が進められています。そこで、この調査の概要と、今後基本計画策定に向けたスケジュール、基本的な考え方をお示しください。  私は、この団地再生計画は、単に都営住宅の再整備の枠にとらわれず、将来のこの地域の発展を見越した商業施設を含む、また、新たに供給増が図られる住宅は、都営住宅だけでない、都民住宅など多様な住宅を供給する整備計画にすべきと考えますが、ご所見を承ります。  次に、臨海の清掃工場について伺います。  この清掃工場は管路システムでのごみ収集を基本としていますが、始動期などでは実際にごみの処理能力に大幅な余剰が生じ、また、管路での収集は当面不可能なのが現状です。そこで、この工場の今後の処理計画はどのようになっているのか、具体的にお示しください。  次に、臨海副都心内の医療施設について伺います。  この医療施設については、現在、運営方法も含め検討中と思います。そこで、私は、公的運営を基本として、最低、公共性、公平性の担保される総合的な医療施設とすべきと考えますが、見解を求めます。  この項の最後に、臨海部建設に伴う残土問題について伺います。  いうまでもなく、臨海副都心建設に伴い大量の残土が発生します。都は、この処理について、現在までストックヤードを建設し、域内処理の原則で対応してきました。しかし、実際は発生と処理との時間的な差がストックヤードの不足を生じさせる結果となっています。そこで、私は、既に都が責任を持って関係団体との調整を図り、公平性を確保することを前提に、残土の海上輸送など環境対策や交通負荷の軽減策をも念頭に置いた具体的解決策を提案をしていますが、その具体化について改めて答弁を求めます。  次に、清掃事業の特別区移管関連事項について伺います。  清掃事業の特別区移管問題については、現在、関係者間で進行している協議等を見守りつつ、以下、基本的な事項について伺います。  いうまでもなく、自治権の拡大はなされなければなりません。しかし、自治には、それに伴う痛みや苦労も共有してこそ初めて本来の自治が成立します。清掃事業における自治とは、ごみの処理処分に伴う迷惑負担も共有されなければならないのは当然です。そこで、自区内処理、迷惑負担公平の原則に立つならば、すべての区に清掃工場やストックヤード及び車両基地は設置されるべきと考えますが、ご所見を伺います。  そこで、現在、難航している清掃工場等、清掃関連の基幹施設の設置については、二十三区区長会の自治権拡大の強い決意をしんしゃくして、基幹施設未設置地区を中心に、それら施設の計画について、地元住民対策を含め汗をかいていただくよう求めるべきと考えますが、ご所見を伺います。  このほかにも清掃事業を取り巻く状況には、多くの困難や解決すべき課題が山積みされています。移管問題を議論する場合、必要なことは、建前や政治的な思惑だけでなく、大都市東京が抱える深刻なごみ問題をどのように解決するのか、そして都民が快適な都市生活をどのように享受できるかの視点が最優先されなければならないと考えますが、ご所見を伺います。  次に、東京都の江東区関連事業について伺います。  まず、錦糸町・亀戸副都心開発ですが、錦糸町・亀戸副都心構想は、錦糸町駅北口の再開発については事業の進捗を見ているところですが、亀戸の開発については、地権者のほとんどが民有地であることや景気の後退の影響などで、具体的な副都心の構想が何ら進展することなく今日に至っています。そこで、この構想の促進が求められていますが、今後の展望をお示しください。  また、亀戸駅周辺には、勤労福祉会館などの都有地があり、これらの施設の老朽化や容積率などに余裕がある状況が指摘されています。そこで、亀戸副都心の民有地の開発は、それはそれとして、先行的に都有地を活用した基幹施設づくりを先行して計画すべきと考えますが、ご所見を承ります。  次に、江東内部河川の整備について伺います。  先日、東京都は、旧中川、小名木川などの江東内部河川の第二次水位低下を発表しました。このことにより、今後の親水化事業を初めとする江東内部河川、特に東側の整備が促進される基礎ができ上がりました。そこで、一日も早い事業の促進が期待されていますが、第二次水位低下後の具体的な整備計画をお示しいただくと同時に、悪臭対策を早急に講ずべきと考えますが、ご所見を伺います。  また、私は、さきに錦糸町・亀戸副都心と亀・大・小再開発及び都立亀戸中央公園を結ぶ旧中川の整備について、河川マリーナの建設等具体的提案をいたしましたが、その後の検討状況をお示しください。  次に、亀戸・大島・小松川地区市街地再開発事業について伺います。  この再開発については、現在、小松川地区における事業については著しい進展を見ており、亀戸・大島地区においても地権者の皆さんとの協議も急速に進展しておりますが、なお解決すべき問題も残っているのが現状です。そこで、早急に解決すべき課題である借地権問題や、再開発後も地区内で営業の継続を希望する商工業者等の問題及び土地価格下落傾向の中で権利者が取得する再開発ビルの床価格の問題について、どのように対応をされているのかお伺いをいたしますとともに、このたびの都市計画変更を踏まえた今後の事業展望についてもお示しください。  また、この再開発計画における最大の問題は、何といってもクロム公害問題です。この再開発地域の小松川にある都立公園・風の広場からのクロム汚染水の流出が問題となっており、周辺住民の環境や健康に対する不安が高まっています。  そこで伺いますが、本来、汚染水の流出などはあってはならないことですが、現実として公園の一部から、二〇から三〇ミリグラム・パー・リットル程度の汚染水が流出している事実を踏まえ、早急に対策を講ずるべきと考えますが、具体的な対応策をお聞かせください。  また、この汚染水の流出も、住民団体の指摘により初めて確認されるなど、都の水質、大気、土壌を含めたチェック体制が不十分であったと考えますが、今後どうされるのか。  また、住民の健康や環境にかかわる不安を解消するために、新しい住民を含めた対策を早急に講ずるべきと考えますが、ご所見を伺います。  さらに、この再開発地域には、いまだ未処理の鉱滓が多数残されており、その早急な処理が今後の再開発事業進捗に大きな影響を与えます。そこで、これまでの経緯や土壌汚染環境基準の設定なども踏まえ、万全の対策を講ずるべきと考えますが、ご所見を伺います。  次に、南砂及び新砂地区の開発について伺います。  新砂地区の開発については、江東区の総合的なまちづくりの観点からも大規模な土地利用転換が期待されています。そこで、市街地整備計画策定に向けての進捗状況と今後の見通しについて伺います。  また、放射一六号線都市計画変更にかかわって、昨年の第一回都議会でお約束いただいた、道路建設により取り壊される計画となっている江東区南砂三丁目都営住宅の四棟の一括移転について、移転用地の選定などの検討状況をお示しください。  また、地下鉄南砂周辺開発に関連して、砂町雨水調整池の上部利用について、本年二月の合築推進計画において、平成七年度百戸の住宅建設を予定していますが、この計画の具体的な内容をお示しいただくとともに、私は、この用地は南砂・新砂地域の中心をなす立地条件にかんがみ、商業・業務、公益施設や駅周辺、さらに南砂・新砂地区の開発にとっての拠点的用地と考えますが、本計画とこの地域全体の将来の開発とどのような整合性を持っているのか、お伺いいたします。  私の質問の最後に、福祉のまちづくり条例について伺います。  昨年九月の第三回都議会において、私は、福祉のまちづくり整備指針をより一歩進め、法的位置づけを明確にした福祉のまちづくり条例を制定すべきであるとの立場から、この場で質問をいたしました。そこで、新たな事態を踏まえ、その後の検討経過及び建築基準条例の一部改正などを踏まえ、改めて福祉のまちづくり条例を制定すべきと考えますが、知事のご所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 市川議員の一般質問にお答えいたします。  まず、諸情勢の変化に対応した臨海副都心開発と、東京フロンティアの全庁的な取り組みについてのお尋ねであります。  両事業の推進に当たりましては、私を委員長とし、副知事及び関係局長で構成する臨海副都心開発・東京フロンティア推進会議を設置し、総合的な調整を図りながら取り組んできたところでございます。今後も、この推進会議を中心とした全庁的組織を十分活用し、社会経済状況など諸般の動向を的確に見きわめつつ、柔軟に対策を講じながら、着実に事業を推進してまいります。  次に、既成市街地と連携した臨海副都心の開発についてのお尋ねであります。  臨海副都心の開発に当たりましては、既成市街地と連携したまちづくりを推進していくことが必要であり、これを開発の方針として位置づけているところでございます。今後とも、この方針を踏まえて、着実に事業を推進してまいります。  次に、福祉のまちづくり条例の制定についてのお尋ねでございます。  都は、昭和六十三年に策定した東京都福祉のまちづくり整備指針に沿って、都民及び民間企業、団体等の理解と協力を基本に、福祉のまちづくりの推進を図ってきたところでございます。福祉のまちづくり条例につきましては、現在、区市町村や関係団体等で構成する福祉のまちづくり推進協議会の意見を求めているところであり、その意向などを参考にして、今後検討してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) まず、臨海部と周辺の開発との関連についてのお尋ねでございます。  望ましい都市の形成に向けてまちづくりを着実に推進していくためには、業務・商業施設の立地を計画的に誘導していくことが重要であると認識しております。現在、そのためのガイドラインとなる業務商業施設マスタープランの策定に向けまして鋭意検討を行っております。ご指摘の臨海部開発との関連につきましても、その一環として、広域的観点から検討してまいりたいと考えております。  次に、江東地域における公共交通のあり方に関する基礎調査についてのお尋ねでございます。  都は、今年度から、江東地域における公共交通機関の現況及び導入の必要性等について概略の検討を開始したところでございます。今後、この地域における南北方向の交通につきまして、そのあり方を明確にし、地下鉄や新交通システム等公共交通機関の位置づけや導入の可能性等につきまして、引き続き調査を進めていく予定でございます。  次に、東京臨海高速鉄道東雲駅における他の交通機関との結節の計画についてのお尋ねでございます。  東雲駅への交通アクセスとしましては、バス等の活用が予想されます。このため、地元江東区は同駅に駅前広場を整備することとしておりまして、都としても必要な協力をしてまいりたいと存じております。  次に、錦糸町・亀戸副都心開発についてのお尋ねでございます。  錦糸町・亀戸副都心につきましては、活性化する産業文化のまちとして育成整備することとしております。亀戸地区につきましては、大規模な民有地の活用を主体とした再開発構想等の検討が進められておりまして、都としても、地元江東区とともに、これらの開発を適切に誘導、支援してまいりたいと考えております。また、公有地につきましては、これらの開発構想の中に位置づけて、適切に活用していくことを検討してまいりたいと存じます。  次に、新砂地区の市街地整備計画策定についてのお尋ねでございます。  都は、新砂地区の市街地整備計画の策定に向けて、平成三年度に当該地区の将来像、整備課題、整備目標等につきまして調査を実施したところでございます。今後は、この調査結果を踏まえ、地元江東区を初め、関係機関と協議、調整を図りながら、できるだけ早期に市街地整備計画を策定してまいりたいと考えております。  最後に、放射第一六号線の計画変更に伴う江東区南砂三丁目都営住宅の一括移転の検討状況についてのお尋ねでございます。  当該都営住宅にかかわる放射第一六号線は、現在、都市計画変更の手続中でありまして、同住宅の四棟の移転につきましては、今後、住民要望の趣旨を踏まえて、関係各局及び地元江東区等関係機関と十分協議、調整を図りながら、一括移転の方向で検討を進めてまいりたいと考えております。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) お答えを申し上げます。  初めに、都営辰巳団地の再生計画についてのお尋ねでございます。  辰巳団地は、約三千三百戸の中高層団地であり、かねてより居住者及び地元区から建てかえ等についての要望が寄せられてきたところでございます。今年度に入って国の公共賃貸住宅総合再生事業としての調査費が認められたこともございまして、都は、平成四年度事業として再生計画策定のための調査を実施いたしてございます。この調査は、団地や周辺の現況、居住者の実態等を把握するとともに、土地利用計画や住宅関連公共公益施設計画等の基本構想案を策定することを目的とするものでございます。  今後、この基本構想案がまとまり次第、地元区や関係者と協議を行う予定であり、この中で、ご提案の施設や多様な住宅の供給についても検討してまいりたいと思います。  次に、砂町雨水調整池における合築計画についてのお尋ねでございます。  砂町雨水調整池の上部利用につきましては、今年度に策定した東京都合築推進計画の中で、平成七年度の事業として百戸の住宅建設を計画化いたしたところでございます。住宅や関連施設などの具体的計画の策定に当たりましては、現在、都が策定中の新砂地区市街地整備計画とも整合を図りながら、江東区を含めた関係者と調整をしてまいりたいと思います。  以上でございます。    〔清掃局長植野正明君登壇〕 ◯清掃局長(植野正明君) 初めに、臨海副都心における清掃工場の処理計画についてのお尋ねにお答え申し上げます。  この工場は、平成六年六月に竣工予定であり、一方、管路の完成は平成七年十二月の見込みでございます。  現下のごみ事情を考えますと、この期間においても、工場の能力を十分に活用することが必要であると考えております。そのため、現在、埋立処分場に直接搬入されている持ち込みごみの一部をこの工場に搬入し、焼却する考えでございまして、現在、関係方面と協議しているところでございます。  次に、すべての区に清掃工場等が設置されるべきとのお尋ねでございますが、この考え方について、各区それぞれ物理的な制約があるとは思いますが、基本的にはご指摘のとおりと考えます。清掃工場につきましては、この考え方に基づきまして計画を策定し、現在その実現に向け、鋭意努力を傾注しているところであり、ストックヤードや車両基地につきましても、各区にそれぞれ設置されることが望ましいと考えております。  次に、特別区に対して、清掃工場の計画や地元住民対策について、汗をかくよう求めるべきとのお尋ねでございます。  清掃工場等清掃関連施設の設置に当たっては、従前より、地元区や関係区とその計画段階から密接に連絡調整を図るとともに、地元対策につきましてもご協力をいただいているところでございます。現下の深刻化する東京のごみ問題に対処するためには、ご指摘のとおり、地元区や関係区の特段の理解と協力がぜひとも必要であり、この考え方に基づき、一層強く協力を要請してまいりたいと考えております。  次に、清掃事業の移管問題を議論するに際しての基本的考え方についてのお尋ねでございますが、東京が抱える深刻なごみ問題の解決と、都民の快適な都市生活の確保の視点を最優先すべきとの考え方につきましては、私も全く同感でございます。今後とも、この視点に立って、特別区や関係者との協議を進めてまいる所存でございます。    〔衛生局長中嶋理君登壇〕 ◯衛生局長(中嶋理君) 二つのご質問をいただきました。  まず、臨海副都心における医療施設についてでございますが、臨海副都心に設置する医療施設の整備に当たりましては、地域の特性や人口の推移、交通機関の整備に伴う患者の流れなどを総合的に検討する必要があると考えております。また、病院の設置形態等につきましては、あすの都立病院を考える懇談会から、高度先駆的医療を行う病院の設置が可能となるよう都としての誘導策を検討すること、こういう提言を受けております。現在、昨年七月に設置した庁内関係局から成ります臨海副都心医療施設検討委員会におきまして、臨海副都心に関する各種の計画や報告の趣旨を踏まえ、医療施設のあり方等の基礎的事項に関する検討を行っているところでございます。今後、この委員会での検討結果をもとに、学識経験者や地元関係者を含めた組織を設置し、検討を進めていく予定でございます。  次に、クロム公害に対する住民の健康不安への対応についてでございますが、都では、クロム鉱滓の健康に及ぼす影響を明らかにするため、クロム鉱滓の大量投棄地区の住民を対象に、昭和五十三年以降十四年間にわたり、疫学的手法を用いた調査を実施してきたところでございます。幸いにして、これまでの調査では、クロム被害の存在を認める所見は得られておりません。しかし、ご指摘のような住民の健康不安にもこたえるため、平成五年度には、当該地区に住む新しい住民も対象に加えて、新たな健康調査を行ってまいります。    〔港湾局長藤中健治君登壇〕 ◯港湾局長(藤中健治君) 臨海副都心建設に伴い発生する残土についてのお尋ねにお答えいたします。  臨海副都心地域におけるさまざまな工事から発生する残土につきましては、域内処理の原則に基づきまして、その再利用に努めているところでございます。しかしながら、現在、施工中の共同溝などの基盤整備工事やモデルビル、テレコムセンタービル、国際展示場などの工事に加え、今後、民間進出企業のビル建設工事が開始されますと、一時的に大量の残土が発生することが予測され、残土のストックヤードが不足する事態となり、その結果、円滑な工事の施工に支障が生ずるおそれがございます。  ご指摘の、海上輸送などにつきましては、交通、環境への負荷の少ない域外搬出の手段として大変有効であると思われます。そのためには、残土の積み出し基地の整備、陸揚げ港を含めた受け入れ先の確保、海上輸送にかかわる関係業界や地元区を含めた関係機関との調整など解決すべき課題はございますが、その実現の方策を早急に検討したいと考えております。    〔建設局長石川金治君登壇〕 ◯建設局長(石川金治君) 江東内部河川の第二次水位低下後の整備についてのお尋ねでございます。  旧中川等において、高水敷の整備、修景を行った後、順次、現況護岸の天端を切り下げ、都民がより身近に水辺に親しみ触れ合える場となるよう、関係区と協議し、積極的に取り組んでまいります。  次に、江東三角地帯の東側河川の悪臭対策についてのお尋ねでございます。  水位低下に向けて、悪臭源となるヘドロの搬出や固形化を実施してきたところでございますが、今後とも、引き続きこれらの対策を行うとともに、維持用水の導入や清掃を行うなど、悪臭の発生の防止に努めてまいります。  次に、旧中川の整備についてのお尋ねでございますが、基本的な考え方は、地域住民の交流の場として水と緑のネットワーク化を図り、周辺の地域特性に整合する水に親しめる空間、すなわち親水空間として整備することとしています。  実施に当たりましては、錦糸町・亀戸副都心等の周辺開発計画を踏まえ、河川、マリーナ整備を含む多様な親水空間の創出に向けて努力してまいります。  次は、亀戸・大島・小松川地区市街地再開発事業における借地権問題についてのお尋ねでございます。  借地権配分割合については、土地所有者と借地権者とが協議して決めることが基本でございます。しかしながら、東京都といたしましても、標準借地権配分割合の提示や借地権相談コーナーの設置など、両者の協議促進に努めているところでございます。  次に、再開発後も地区内で営業を希望する商工業者への対応についてでございますが、希望者に対しましては、原則として、将来も営業を継続できるよう施設を計画するとともに、工事に当たりましては、必要に応じ仮設の店舗や工場を設けるなど、十分に配慮しているところでございます。  次に、近年の著しい土地価格の変動の中での再開発ビルの床価格についてでございますが、都においては、従前資産額の変動に応じ、床価格の見直しを行い、権利者間での公平性が保てるよう努めているところでございます。  次に、今後の事業展望についてでございますが、この地区につきましては、特に権利床街区の早期整備及び公共、公益施設の拡充を図ることが大きな課題となっています。  このため、このたびの都市計画変更は、関係権利者及び地元区とも調整の上、公共、公益施設及び権利床にかかわる施設計画について変更を行ったものでございます。  今後、この変更を踏まえ、早期に未着手の再開発ビルを建設するとともに、避難広場の整備を行い、平成十年度完成を目途に、災害に強い活力あるまちづくりを推進してまいります。    〔環境保全局長竹尾格君登壇〕 ◯環境保全局長(竹尾格君) お答えいたします。
     まず都立公園・風の広場の一部からしみ出ている六価クロムの汚染水についてのお尋ねでございます。  汚染水に対する具体的な対応につきましては、学識経験者から成る市街地土壌汚染対策検討委員会で検討を重ねました結果、しみ出した水を集めて、一括還元処理することが適切であるという結論を得たところでございます。現在、関係機関と協議を進めているところでございまして、協議が調い次第、早急に処理施設の設置を実現させたいと考えております。  次に、水質などのチェック体制について、今後の対応についてのお尋ねでございます。  再開発事業地区内におきましては、これまでも定期的に大気や水質の調査を実施してきたところでございます。これまでの調査では六価クロムは検出されておりませんが、昨年、風の広場の一部におきまして、しみ出た水から六価クロムが検出されたことを踏まえまして、その状況を的確に把握するため、今後、定期的な水質の監視などを重点的に行ってまいります。  また、風の広場につきましては、表土調査を実施したところ、六価クロムは検出されておりません。  次に、六価クロム公害に対する住民の環境にかかわる不安への対応についてのお尋ねでございます。  六価クロム鉱滓土壌の処理に係る環境対策などにつきましては、これまで、住民参加による日本化学工業クロム公害対策会議を通じて、環境モニタリングや二次公害の防止など各種対策を協議し、実施してきたところでございます。  今後とも、クロム公害対策会議などに必要な情報を提供するとともに、環境モニタリングの充実や、万一新たな事態が生じた場合には応急措置を講ずるなどにより、住民の不安を解消するよう対応してまいりたいと考えております。  次に、未処理の六価クロム鉱滓の処理についてのお尋ねでございます。  土壌の汚染に係る環境基準が設定されたことに伴いまして、東京都の公有地取得に係る重金属等による汚染土壌の処理基準の改定作業を進めておりまして、現在、市街地土壌汚染対策検討委員会に、最新の技術、知見等を踏まえた検討をお願いしているところでございます。六価クロム鉱滓土壌の処理につきましても、その検討結果を踏まえまして、適切に対応してまいります。    〔福祉局長檜垣正已君登壇〕 ◯福祉局長(檜垣正已君) 福祉のまちづくり条例の検討経過についてのお尋ねでございますが、現在、区市町村や関係団体等で構成する福祉のまちづくり推進協議会の意見を聞いているところでございまして、あわせて他の府県の事例などについて調査を行っているところでございます。      ─────────── ◯副議長(菅原宗一君) 四番染谷賢治君。    〔四番染谷賢治君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯四番(染谷賢治君) 去る二月十七日、渋谷区神宮前において国連大学の開所式が行われ、私も代表として出席いたしました。ガリ事務総長より、日本国政府及び東京都鈴木知事に、国際的貢献をされていることについての賛美があり、皇太子殿下が英語で格調高いメッセージをされました。  いよいよ国際化の波は光となって東京を照らしつつありますが、しかし他面、暗い影もまた広がりを見せております。本日、私は、この影の部分の広がりを懸念しつつ、お尋ねしたいと思います。  さて、外国人は、入国管理法により日本で働くことが原則的に禁止され、移民も認められていません。しかし現実には、数十万人以上といわれる外国人が観光ビザで入国をし、働いているといわれております。あるいは土木建設工事、メッキ、板金工場など、いわゆる三K職場の労働者として多くの外国人が働いています。労働市場を外国人に開放するのがよいか悪いかは、問題は別として、最近の深刻な不況の波の中で失業し、異国の地で不安な毎日を送る外国人の姿が目立ってきました。  失業者の多い旧東ドイツでは、ネオナチと称する若者たちによって、外国人難民が襲われ、スペインなどでも人種的な排斥運動が起きていることを聞いております。  言葉や生活習慣の違いは、時に相互不信から思わぬ混乱を招きかねません。最近、代々木公園の周辺は、休日になると数千人ともいわれる外国人によって占拠され、周辺住民の不安を募らせております。  平成四年六月現在の外国人登録人口は、東京都全体で二十六万六千人余、二十三区では二十二万六千人余といわれており、一説によると、不法在留外国人の数は、その数倍ともいわれています。東京が世界に開かれた国際都市として発展していくためには、避けて通れない道かもしれません。  こうした問題は、基本的には外国人労働者の受け入れを初めとする入国管理のあり方などにかかわる問題であり、国の対応にまつべきものが多くあります。しかしながら、適法、不適法にかかわらず、東京に在住している外国人には、国籍や文化の違いを超え、必要なサービスを提供しなければならない場合があると考えます。特に不法在留外国人で救急患者が出たときには、どのように対応しておりますか。その場合、都立病院では医療費の支払いはどうなっておりますか。また、いわゆる単純労働に従事している不法就労者に対してどのように対応しておりますか。  今、ご質問した中で、不安材料の中の警視庁関係でございますが、本会議の初日に警視総監より治安状況報告を伺いました。私が冒頭申し上げました外国人の対応についての質問については、警視庁の努力を賛美しつつ、今後とも、都民に安心を与える一層の努力をお願いするということを要望しておきたいと思います。  消防庁につきましても、都市の震災、防災、救急医療士の指導、配備に至るまで、署と消防団が一体となって誠心誠意奮励されていることに敬意を表しつつ、私の発言の関連する法外、法内に至るまで、国際都市としての運営を図られるよう、これも要望しておきます。  次に、今後の対応についてであります。これら外国人に対する行政サービスのあり方は大変困難な課題と考えます。しかし、国際都市東京として、地域の国際化は避けて通れない課題ですが、具体的な権限に基づくもの、権限がなくても対応しなくてはならないもの、これらを体系的に整理をするとともに、それに対する国、都、区市町村の役割分担を明らかにする必要があると考えます。  また、現在、これらの人々を援助するために、多くのボランティア活動が行われています。今後、ボランティア団体の協力はますます重要となってくると考えます。都はこうしたボランティア団体の育成を初め、国や区市町村とも連携をとりながら、自治体として独自の援助施策を進めるべきと考えますが、所見を伺います。  このような外国人問題を初めとして、国際化の進展や経済のグローバル化は、特に大都市東京において、行政が対応しなければならないさまざまな問題を惹起しております。これらの問題の解決には、地域の実情と住民の意向をより的確に把握している特別区が、多摩における市町村と並んで、都や国と連携をとりながら主体的に対処していくことが必要と思われます。  その意味でも、特別区の基礎的自治体としての地位を確固たるものとする都区制度改革は、必ずや実現しなければならないものと考えております。ぜひとも知事の手で実現していただくよう願うものでございます。  そこで、現在の都区制度改革の進捗状況及び平成七年四月実施についての知事の決意のほどをお伺いいたします。  最後に、景気が低迷しているとはいえ、依然として都内からは膨大かつ多様な産業廃棄物が排出されております。今日、産業廃棄物対策は一般廃棄物と同様、都政にとって重要な課題となっておりますが、その解決に当たって、資源化等リサイクルの推進が肝要であると考えております。  私は過日、他県の民間資源リサイクル施設を視察してきたところでありますが、そこでは、廃プラスチック、古紙を資源化し、積極的にリサイクルをしておるところであります。こうした事業は余り世間に知られてない地味な存在ですが、廃棄物対策にとって極めて意義あるものと感じたところであります。  そこでお尋ねしますが、都における産業廃棄物の有効利用の現状はどうなっているか、お聞かせ願いたいと思います。  現状では、産業廃棄物の有効利用、かなり進んでいると思っておりますが、産業廃棄物の有効利用の進み──建設廃材の排出量の多いものや、廃プラスチック類等の利用率の低いものの有効利用を促進する必要があると考えております。都内での産業廃棄物の有効利用の実例についてお伺い申し上げます。  深刻化する都の産業廃棄物問題を解決し、リサイクル型都市を構築するためには、一層の廃棄物の有効利用の推進が不可欠であり、そのためには技術支援、処理業者の組織、育成指導強化、積極的に進める必要があると考えます。こういうことによって、技術開発によって、私どもは、廃棄物を捨てる心配ということよりも、もっともっと技術開発によって、その方向に進んでいきたいと考えるものでございます。  質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 染谷議員の一般質問にお答えいたします。  都区制度改革の進捗状況等についてのお尋ねであります。  昨年十月の「中間のまとめ」の発表後、直ちに知事を本部長とする都区制度改革推進本部を設置し、全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。  現在、職員団体を初め関係者との協議を精力的に行っており、これらの意見を踏まえ、平成五年中に最終案をまとめるべく努力しているところであります。  今回の制度改革は、清掃事業を初めとして、住民に身近な事務事業をできるだけ特別区に移管するとともに、財政自主権の強化を図ることによって、特別区を基礎的自治体に位置づけようとするものであります。  今後とも、都議会を初め各方面のご理解とご支援をいただき、平成七年四月を目途に全力を挙げて取り組んでまいります。  なお、その他のご質問につきましては関係局長から答弁申し上げます。    〔衛生局長中嶋理君登壇〕 ◯衛生局長(中嶋理君) 不法在留外国人の救急患者に対する対応についてお答えをいたします。  医療機関は、外国人であるか否かにかかわらず、また不法在留であるか否かを問わず、救急患者はこれを受け入れ、診療に当たるべきこととされております。  また、医療費の支払いについては、不法在留外国人は健康保険に加入できませんので、医療費全額が自費扱いとなり、この医療費が高額な場合、未払いとなるケースがございます。都立病院におきましても、不法在留外国人の医療費未払いのケースが増加をいたしております。    〔労働経済局長井上修一郎君登壇〕 ◯労働経済局長(井上修一郎君) お答えを申し上げます。  いわゆる外国人不法就労者についてのお尋ねでございますが、外国人の就労に関します問題は、基本的には国の政策にかかわる事項でありますことはご指摘のとおりでございます。  東京都といたしましては、外国人労働者についても、不法就労か否かを問わず、原則として労働基準法や労働者災害補償保険法などの労働関係法令が適用されることから、労政事務所などにおきまして、賃金不払いや労働災害等に関する外国人労働相談を実施しているところでございます。  今後とも、これらの労働相談を通じまして、適切に対応してまいりたいと考えております。    〔生活文化局長谷口晴康君登壇〕 ◯生活文化局長(谷口晴康君) 在留外国人に対する行政サービスのあり方についてのお尋ねにお答え申し上げます。  近年、東京で生活する外国人が急増する中で、地域社会におきましてさまざまな問題が生じていることはご指摘のとおりでございます。こうした問題の解決は、基本的には国の政策によるべきものでございますが、自治体といたしましても、可能な範囲で対応していかなければならないと考えております。  これまでも東京都におきましては、外国人に対する相談窓口の設置、情報提供及びボランティア団体の活動への援助など、各種施策を推進してきたところでございますが、東京を外国人と都民がともに暮らす開かれた国際都市にしていくためには、なお多くの課題が残されていると考えております。  ご指摘の国及び区市町村との役割分担を明確にし、一層緊密な連携を図ることや、ボランティア団体を育成することは重要な課題であると認識しております。現在、こうした課題を含め、地域社会の国際化の問題につきまして、国際政策懇談会でご検討をいただいておりまして、そのご意見も踏まえて、施策の具体化に努めてまいりたいと存じます。    〔清掃局長植野正明君登壇〕 ◯清掃局長(植野正明君) 産業廃棄物についてのご質問にお答え申し上げます。  初めに、産業廃棄物の有効利用の現状についてのお尋ねでございます。  多少古い統計でございますが、昭和六十二年の実態調査によりますと、都内における産業廃棄物の総排出量は約二千二百万トンでございます。そのうち約一四%に当たる三百十万トンが有効利用されております。これを種類別に見ますと、建設廃材が発生量の六二%、二百四十四万トン有効利用されているほか、木くず及び鉱滓がそれぞれ十六万トンとなっております。  次に、産業廃棄物の有効利用の事例についてでございますが、具体的なものといたしましては、建物解体に伴う建設廃材が路盤材等に、また鉱滓は骨材として利用されているほか、木くずはチップ化して燃料及びパルプの原料として使用されております。  次に、産業廃棄物の有効利用の推進についてのお尋ねでございます。  東京における産業廃棄物問題の解決を図るためには、ご指摘のとおり、廃棄物の有効利用を推進することが極めて重要と考えております。このため都といたしましては、これまでも排出事業者や処理業者及び関係業界に対して、減量化、リサイクルの指導を行ってきたところでございますが、今後とも、ご提言の趣旨を踏まえ、一層指導の充実強化に努めてまいりたいと存じます。      ─────────── ◯議長(小林かんじ君) 五十五番植村アサ江君。    〔五十五番植村アサ江君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯五十五番(植村アサ江君) まず最初に、レインボーブリッジについて伺います。  ことしの夏に開通する予定となっているレインボーブリッジは、これまで直接行き来のできなかった港区台場地区を芝浦地区と結び、区にとっても大変有意義なものです。計画当初、この橋は車専用の道路として計画されていたものでしたが、その後、港区が歩道の設置を要請したことなどにより、昭和六十三年の東京港連絡橋景観検討委員会で、レクリエーション機能、展望機能、歩行者交通機能として、歩行者空間として提言されました。このことは大変喜ばしいことですが、東京都は平成五年度予算案で、歩行者空間への入場料として大人三百円、中学生百円を計上しています。  しかし、この歩行者空間はレクリエーションや展望だけのために利用されるのでなく、台場地区の開発が進むにつれ、港区民が通勤や通学を初め生活道路として利用することになるでしょう。港区からも、均衡、バランスのとれた行政サービスを提供するためにも無料化が必要であるとして、東京都に申し入れが行われたところであり、私も、社会党・都民会議を通じて、生活道路として利用する場合は自由往来ができるよう、特段の配慮がなされるよう、知事あてに申し入れたところです。  東京都は、このレインボーブリッジの無料化についてどのように取り組んでいるのか、伺います。  また、夏の風物詩である花火大会などを開催する場合には、この橋の車道については、ほかの花火大会と同じように、危険防止のために車道部分を閉鎖せざるを得ないと思われます。  そこで提案いたしますが、その際は臨港道路の車道部分を一般の人たちに開放するなど、都民サービスのために柔軟に対応すべきと考えますが、いかがですか。  横浜ベイブリッジに、平成三年においても年間六十三万人の人たちが訪れているように、レインボーブリッジにも多くの人たちが訪れることが予想されます。しかし、レインボーブリッジが開通することしの夏には、臨海新交通も完成しておらず、展望室周辺に一般乗用車の駐車スペースも少ないことから、都営バスによる、公共交通機関による路線の整備が必要と考えます。ぜひレインボーブリッジのバス路線の整備について取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、芝浦・港南地域など臨海部開発に伴うバス路線網の整備についてお伺いします。  港区の芝浦・港南地域及び品川区の天王洲地域などの臨海部では、現在、大規模な再開発事業が行われて、その姿が大きく変貌を遂げようとしており、この地域には、二十一世紀には新しい町が生まれようとしています。  しかしながら、芝浦・港南地域及び天王洲地域の交通事情を見ると、西側にはJR東日本線が、東側には東京モノレールが走っており、また現在臨海新交通が建設中ですが、いずれも南北に走る路線です。平成八年度営業開始を目途に工事中の都営地下鉄十二号線も、この地域の北側部分を通るため、現状では東西を結ぶ交通網が不備ではないかと考えます。  地域住民や町の発展のためには、芝浦・港南地域や天王洲地域の中心部や、JR、モノレールを結ぶ東西交通網の整備が必要であると考えます。私は、この地域の東西を結ぶ交通機関の整備については、バス路線網によることが現状では最適と考えています。  先般、交通局が港南四丁目にある国有地をバスの車庫用地として確保しましたが、都交通局としては、この地域の都バス路線網の整備について積極的に取り組むべきと考えますが、お伺いいたします。  次に、東京都民一千二百万人の長年の念願であった東京ローカルテレビ局として、東京UHF局の開局が本決まりになり、平成七年十一月一日に開局、放送開始の予定で現在準備が進められています。  私たち社会党・都民会議が一貫して、都民の生活と文化の向上に寄与する地域メディアの必要性を訴えてきたものであり、都も設立発起人として加わっている東京メトロポリタンテレビジョンにこのほど予備免許が交付されたことは、私としても大変喜ばしいことです。  UHF局が、都民の暮らしに役立つ地域や生活の情報、東京の産業活動に貢献する情報など、都民に密着した状況を提供し、都民から高い評価を受けることを期待するものです。  ところで、新局と東京都とのかかわりですが、都の東京メトロポリタンテレビジョン株式会社への出資割合は四・一%となっています。この割合は、東京周辺のほかの自治体、例えば群馬テレビへの群馬県の出資割合一〇%、同じくテレビ埼玉への埼玉県の一〇%、千葉テレビへの千葉県一〇%、テレビ神奈川への神奈川県八%に比べて著しく低い水準です。同局の設立経過、設立趣旨などを考えたとき、番組の編成内容について、都議会中継や都民への情報提供などの点で、都民の期待にこたえられる発言権が果たして十分に確保できるのだろうかという懸念も残ります。  東京都は、UHF局が都民のためのテレビ局として万全の運営がなされるように、今後、増資などの出資の機会があった際には、積極的に出資割合をふやすよう努めるべきと考えます。都のUHF局へのかかわりについての基本的な方向性と意欲のほどを伺います。  次に、高校教育のあり方について伺います。  高校教育のあり方を検討していました文部省の高校教育改革推進会議から、去る二月十二日、「高校学校教育の改革の推進─総合学科について」と題する第四次報告が文部省に提出されました。この報告に関連して私の意見を述べ、都の所見を伺います。  今は、中卒者の九〇%以上が高校に学ぶという時代です。こういう状況のもとでは、希望する生徒をすべて受け入れ、それらの生徒の多様なニーズに合わせて、できる限り幅広く柔軟な教育を提供することが求められています。既に教育委員会の高等学校就学計画の数字に比べて進学率の実績は常に下回っていますし、今後も生徒は減っていくわけですから、希望する生徒をすべて受け入れる条件は整っているといえます。  私たち日本社会党は、既に九一年七月の「教育改革の構想と行動指針(中間報告)」において、数校をグループ化し、特色あるカリキュラムを用意する地域総合選択制高校を提起しています。その視点から見ても、今回の報告は注目に値するものです。  今、東京都教育委員会は総合選択制高校について、一九九六年の開校を目指して教育課程や施設などについて検討を進めていますが、今回の報告でも述べているように、総合選択制高校は、教員数や施設、設備などの面において、多様な専門教科、科目または普通教科、科目の開設にみずから制約があるといえます。例えば、埼玉県立伊奈学園総合高等学校は、建物だけでも四万三千平米あるのに対して、都が予定している総合選択制高校は約二万平米と、埼玉の二分の一以下にすぎません。このように東京の高い地価、用地不足のもとでは、生徒の多様なニーズにこたえ得る総合学科を持つ高校の開設は不可能だと思うのです。  しかしその反面、東京は人口が密集し交通機関が発達しているため、各高校は時間的、距離的にそれほどかけ離れたところにあるわけではありません。この点については、今回の報告でも、可能な限り多様な教科、科目を開設する必要性があるため、ほかの高等学校と連携する方策を積極的に活用するべきだとしています。  さてそこで、私たちのいう地域総合選択制高校とは、複数の高校が連携して多様なニーズにこたえる高校教育を提供しようというものです。具体的には、学区内あるいはグループ内の高校を統合して、一つの地域総合選択制高校として、学系あるいは総合選択科目群によって校舎がかわるものと考えればよいでしょう。ここに受け入れる生徒数は、その学区内の希望するすべての生徒数としたらよいでしょうが、現行法令上から、入学選抜を行わざるを得ないのであれば、地域総合選抜制高校ごとに行えばいいのです。  現在進められている特色ある高校の創造の先に、地域総合選択制高校として地域ごとに取りまとめ、各地域の生徒のニーズに合った高校教育を提供すること、これを今後の高校教育の課題としてよいのではないでしょうか。  以上、私の見解を述べましたが、いかがお考えでしょうか、ご所見をお伺いして、質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 植村議員の一般質問にお答えいたします。  東京UHFテレビ局についてのお尋ねについてお答えいたします。  このたび、都議会を初め多くの関係者の方々のご尽力により、念願の東京UHFテレビ局が実現することとなりました。この間、都は、このテレビ局が都民のテレビ局として運営されるよう出資について関係方面と協議を行ってまいりましたが、最終的に四・一%の出資比率となりました。このほか、区市町村の三・四%を加え、東京都関係の出資としては七・五%を確保することができました。今後、増資の機会等がありますれば、ご指摘の趣旨も踏まえ適切に対応してまいりたい。  また、あらゆる機会を通じて新局が所期の目的を達成できるよう、最大限努力してまいります。
     なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔港湾局長藤中健治君登壇〕 ◯港湾局長(藤中健治君) レインボーブリッジに関するご質問にお答えいたします。  まず、レインボーブリッジの展望、遊歩道施設の利用についてのお尋ねでございますが、展望、遊歩道施設の利用は、レクリエーションや観光が主な目的と考えられますが、日常生活を営む上で必要とする通行、いわゆる生活道路として利用する場合があることもご指摘のとおりでございます。現在、ご要望の趣旨に沿いまして、その方策を検討いたしているところでございます。  次に、花火大会などが開催される場合に、車道部分を一般開放すべきとのお尋ねでございます。  レインボーブリッジを広く都民に親しまれる施設とする上で貴重なご提案と存じます。その実施に当たりましては、レインボーブリッジの規模、構造を考えますと、来訪者の安全確保対策や周辺の交通対策などの問題がございますので、今後、関係機関と十分協議してまいりたいと存じます。    〔交通局長宮端清次君登壇〕 ◯交通局長(宮端清次君) まず、レインボーブリッジへのバス路線の整備についてお答えいたします。  ご指摘のとおり、交通局といたしましても、レインボーブリッジへの交通手段といたしましては、都営バスによる輸送が主体となると考えておりまして、都内や各地方からの多くの見学者のアクセスを確保するため、主要ターミナルから展望室までへのバス路線の整備について早急に関係機関と協議し、ご期待に沿えるよう努力してまいりたいと存じます。  また、芝浦、港南地域等の開発に伴うバス路線網の整備についてのお尋ねでございますが、当該地域では現在大規模な再開発事業が行われており、この進展に伴い、今後バスの輸送需要が一層増大するものと予測しております。これらのバス輸送需要にこたえるためには、既存の営業所のバス輸送能力だけでは不足いたしますので、新たに港南地区に都営住宅との合築により、バス営業所用地を確保したものでございます。  今後、これら地域の開発の進捗に合わせまして営業所の整備を行うとともに、鉄道等各種交通機関とのネットワーク化を図り、効率的な都営バス路線の整備を検討してまいる所存でございます。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) ご提言のございました地域総合選択制高校についてのお尋ねでございます。  ご提言の高校は、生徒の特性や進路希望等に応じた多様な教科、科目の選択を可能にする点におきまして、都教育委員会が現在建設準備中の総合選択制高校や、さきに国の高校教育改革推進会議の第四次報告で提言された総合学科と共通するところもあり、示唆に富むものと受けとめております。  ご提言の地域総合選択制高校につきましては、国の第四次報告とあわせ、今後研究してまいりたいと存じます。      ─────────── ◯副議長(菅原宗一君) 六十四番岩舘衛君。    〔六十四番岩舘衛君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯六十四番(岩舘衛君) まず、清掃事業について伺います。  中央防波堤外側の最終処分場が平成七年で満杯となる待ったなしの現在、都はこの時期とあわせ、平成七年までに全量焼却達成に向けて新清掃工場建設計画を図ってきたものでありますが、先発三工場の早期着工困難という事態を、知事はまずどう考えておられるのでありましょうか。  当然に、全量焼却の達成目標である平成七年も先送り、遅延することにならざるを得ないと考えるのであります。したがって、全量焼却目標の達成年次が不明確になり、全量焼却の目標達成年度の繰り延べは必至であり、新工場の建設推進計画の遅延に伴って、都として新たな計画の対応が急務と考えますが、ご所見を伺います。  次に、新工場建設九工場の今日までの推進経過から伺うのでありますが、自区内処理達成区を先発計画の三工場に入れたことは、自区内処理の原則からは十分反発が予想されたことであり、新計画に基づく九工場の建設推進を図るべきではないかと考えます。  また、知事が、地元区への了解を得るため最大限の努力をすると申され、清掃局長以下担当部長が、工場建設のため関係区に対して大変な苦労を重ね努力されたのでありますが、早期着工困難となった今、まさに重大局面と受けとめ、副知事以上の都首脳部が工場建設推進担当と一体となり、文字どおり全庁挙げて取り組むべきであると思いますが、いかがでありましょうか。  一方、新処分場計画については、昨年知事みずからが地元関係区に出向き要請を行ったところでありますが、全量焼却達成への努力が約束条件としてこの計画を見守るという地元区の理解ではありますが、新工場の建設遅延が明らかとなった今、改めて地元区への対応はどのようになさるのでありましょうか。  また、東京港検疫錨地の都県境問題ですが、その後の千葉県との協議見通しについてご所見を伺うものであります。  次に、産業廃棄物対策についてでありますが、現在、景気の低迷により産廃の排出量も減少しつつあるといわれておりますが、産廃の不法投棄など不適正処理の問題が依然として後を絶たないなど、環境保全上憂慮すべき状況にあります。そこで伺います。  第一に、都内から発生する産業廃棄物総量二千二百万トンで埋立処分量四百四十万トンもあります。このうち二百七十万トンが未処理のまま埋め立てられ、全体の三分の二が都外で処分されているという状況について、都はどのように考えられているのでありましょうか。  第二に、公共関与による中間処理施設整備の推進については、都財政及び地元対策から厳しい状況があるにしても、この問題の重要性にかんがみ、実現に向け、引き続き努力すべきではないかと考えますが、ご所見を伺います。  次に、建設残土処理について伺います。  都は、これまで残土の搬出抑制策を検討し、また、再利用センターを開設するなど、その施策を評価するものでありますが、建設残土の搬出量と比べますと、とても十分とはいえない状況にあります。平成二年度に都の施行工事から発生した残土は五百六十七万立米に達し、都内に残土の処分場は皆無に等しい状況となり、約六割が千葉、埼玉の近県に搬出されている現状と聞きます。  そこでまず、今後の都の建設残土対策の基本的な考え方についてお伺いいたします。  次に、都の施行工事から発生する残土の処理は、他県への搬出も含めて、これまで工事請負業者の責任ということで業者任せになっているのではないでしょうか。現状では、他県への残土搬出はやむを得ない状況にありますが、少なくとも、都がみずから発生させる建設残土については都が責任を持って対処すべきと考えますが、いかがでありましょう。  次に、建設残土は有用な建設資源であり、有効に活用する方策を検討すべきであります。また、都がみずから発生の残土は、都がみずからの具体的な処分場を確保する計画を早急に立てるべきと考えます。さらに、他県への海上輸送による広域利用計画も、受け入れ側自治体と十分な協議を前提としての計画であるべきと考えますが、ご所見を伺います。  そしてまた、海上輸送による広域利用を考えるのであるならば、一昨年、四定本会議において提案いたしました海面埋め立てで、建設残土の受け入れは可能といわれている島しょへの輸送計画を検討すべきであることを要望いたします。  次に、去る二月一日に江東区の水道工事現場で発生したメタンガスによる爆発事故について伺います。  この事故は、作業に携わっていた人たちが死傷するとともに、付近住民に不安を与えるなど、都の責任は重大であります。事故現場付近はかつて天然ガスを地下深くから採取していたわけでありますが、地表近くの地層にもガスが滞留して、地下工事に伴い噴出するのではないかと危惧していたが、それが現実になったわけであります。このような事故を二度と起こしてはならないという観点から伺います。  第一に、この地域にはメタンガスが存在する可能性があることは承知していたとは思いますが、工事に先立つ地質調査では、なぜその存在がわからなかったのかを伺います。  第二に、工事を再開するに当たってどのような対策を考えているのかを、メタンガスの漏えい、拡散に伴う二次災害の防止も含めて伺います。  今後、江東区内では、水道管工事のほか地下鉄工事、各種再開発など、地下掘削を伴う工事が多くなる状況の中で、このメタンガス対策は重要であります。  そこで質問の第三は、この種の工事を行う各局は、メタンガスに関する既存の情報を整理掌握するとともに、地質調査方法や工事方法、二次災害の防止方法等を再検討し、これに基づくマニュアル作成等の安全対策を確立し、民間企業に対してもその遵守を指導すべきではないかと考えるものですが、知事のご所見を伺います。  また、ガス滞留地点の測定については、大変困難な問題ではあるが、今後努力されるよう要請するものであります。  次に、住宅問題で、都営住宅の建てかえについて伺います。  建てかえ時期に至った住宅団地の居住者は、高齢者のひとり暮らしを含め、高齢者世帯が大変に多くなっております。このような実情に即して、建てかえ事業が、老人室つき住宅、型別供給が促進されるようになったことは、評価され、喜ばれてもいるのでありますが、単身者向きの一DKが、シルバーピア以外ではなぜ建設されないのか、疑問を持つものであります。  平成三年、四年の建てかえの中でも、単身者入居割り当てが、従前居住スペースの倍に近い三DKに、ひとり暮らしの方が多く割り当てられているのであります。こうした実情は、都営住宅に入居できない都民から見れば、不合理ではないかという批判もあります。  単身者となった方の建てかえ時には、家賃の上昇を抑える上からも、一DKまたは二Kを提供するというような、従前入居者への割り当てには、入居基準を作成し、適切な住みかえ住宅の提供を行うべきではないかと考えます。  そして、建てかえ時にこの一DKが建設されることにより、新築の戸数増も図られ、高齢者向き単身者用住宅の拡大が促進されると考えるのでありますが、ご所見を伺います。  次に、我が党の代表質問でも、若年層への住宅対策を求めたところでありますが、若年世帯への家賃助成について伺います。  既に実施された高齢者等の住みかえ家賃助成制度については高く評価するものであります。そしてこの制度は、都及び各区市町にとっても共通の課題であるとの視点から、都と区市町村が連携して実施するようになったと理解するのであります。  同様の立場から、若者が東京に住み続けられるようにとのことで、平成二年より台東区が、その後、新宿、渋谷、文京、港、墨田区と各区が実施するようになり、今や二十三区共通の課題となりつつあります。  そして、現に若者が、新婚世帯を持つに当たって、家賃助成の実施区へ移転したいという都民感情さえ生じております。このような実情の中で、二十三区だけでも、都が区と連携して実施することを望むものでありますが、ご所見を伺います。  次に、介護に携わる福祉人材について伺います。  二十一世紀を間近にして急速に進む人口の高齢化を考えますと、介護に携わる人材の養成、確保がとりわけ重要であります。  都は現在、福祉人材開発センターを開発させて、施設職員やホームヘルパーなどの養成講習を行っているところでありますが、今後の高齢者福祉施設の増設や在宅福祉の充実に見合う人材の確保を強く望む立場から伺います。  都の計画によると、二十一世紀には高齢者在宅サービスセンターを中学校区に一カ所、計六百カ所を、また特養ホームを二万六千九百人分整備するほか、ホームヘルパーを二万六百人とする計画になっておりますが、それに対応する施設職員やホームヘルパーの養成計画と現在の実施状況はどのようになっているのかを伺います。  また今後、人材確保と定着のためには、魅力ある職場となるよう、職場環境、勤務時間、給与、福利厚生などを含め、より一層の改善向上を図るべきではないかと考えますが、ご所見を伺います。  次に、霊園事業について伺います。  都市における墓地不足が指摘されている中で、都営霊園の墓地を都民が取得することの困難さは、近年の都営霊園の申込状況と抽せん倍率から知るところでありますが、このような状況に対応するための手だてはないものでありましょうか。  民間霊園の中でも、屋内、多収納型など、用地不足を反映した都市型スタイルのものがつくられておりますが、都営霊園においても、このような新しいタイプの墓地をつくることによって供給量をふやし、都民の要望にこたえる姿勢を持つべきではないかと考えますが、いかがなものでありましょうか。  また、核家族化が進んだ現代社会において、身寄りのない高齢者世帯や、経済的に墓地を求めることのできない人が増加しております。都営の納骨堂に預けた遺骨の保管は一年更新で、原則として五年を限度とされ、その間に墓地を取得するよういわれておりますが、収入のなくなった単身高齢者には、新たに墓地を取得することは、現実の問題として不可能であります。こうした基本的人権の侵害に等しい苦しみに、行政が人道上の見地から手を差し伸べるべきではないかと考えます。  そこで、このような人々のための合葬墓地や合祀納骨堂等の建設を提案するものでありますが、ご所見を伺います。  終わりに、江東内部河川の整備について伺います。  今年度、東側の第二次水位低下が図られることとなりました。これは、墨田区、江東区及び江戸川区の一部の低地帯が、大地震に対する危険度の緩和から待ち望まれていた河川事業であります。  そこで、水位低下の実施に当たり伺います。  水位をさらに一メートル低下すると、護岸近くの川底が露出する部分が出てまいりますが、航行及び親水性の立場から、一層のしゅんせつ整備を行った上で実施すべきではないかと考えます。  また、今後の事業について伺います。  現護岸とその前面矢板との間にある帯状の緑地は、これまで遊歩道となるよう要望してきたところであり、一部は利用できるようになりました。また、旧中川など比較的川幅の広い河川では、多様な利用が求められております。今回の第二次水位低下にあわせて、歩道の整備や川幅の広い河川の高水敷整備など、一層の促進を図るべきではないかと考えますが、いかがでありましょう。  次に、現況護岸の天端高切り下げについて伺います。  東側河川の第二次水位低下を実施し、護岸天端の切り下げを行うことは、地域の治水安全度を向上させるのみならず、住民が水辺を身近に感じられる環境を創造することにつながるものであり、地元区及び住民はその実施を強く求めてきたところでありますが、今後どのように対処されるのか、ご所見を伺います。  以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 岩舘議員の一般質問にお答えいたします。  まず、新清掃工場の建設についてのお尋ねであります。  墨田、世田谷地区及び台船式の先発三工場については、地元区の意向等、諸般の事情により、着工予定をおくらせざるを得なくなったため、平成七年度末の可燃ごみ全量焼却達成が極めて厳しい状況にあることは、ご指摘のとおりであります。  この難局の打開を図るため、今後とも関係区の理解と協力を求めつつ、できる限り早期に都市計画等の手続に入れるよう、最大限の努力をしてまいります。  次に、千葉県との都県境及び港湾区域の拡張に係る協議の見通しについてのお尋ねであります。  現在も県側と鋭意協議を重ねておりますが、過去の経緯などの事情もあって、厳しい状況にあります。しかし、新海面処分場を確保するためには、避けて通れない課題であり、今後とも千葉県の理解と協力を得て、新海面処分場が建設できるよう、あらゆる努力を傾注してまいります。  次に、都における建設残土対策の基本的な考え方についてのお尋ねであります。  建設残土対策は、東京のまちづくりを進める上で重要な課題の一つであると認識しております。近年、大量の建設残土が発生していることは、ご指摘のとおりであり、都としては、これまでも発生量の抑制、再利用の促進、処分地の確保、広域利用の推進等の対策に鋭意取り組んできたところであります。  今後とも、これらの対策を積極的に推進してまいりたい。  次に、地下掘削を伴う工事の安全対策についてのお尋ねであります。  都が発注する工事に伴い、このたびのような事故が起こったことは、まことに遺憾でございます。事故発生後、直ちに全庁的に、同様な工事の安全対策について再点検をし、安全確保を図ったところであります。  このような事故の再発防止を図るため、同種の工事を行う関係各局をして、このたびの事故を教訓に、ご指摘のような工事方法、二次災害の防止等、一層の安全対策を確立し、請負者を含め、その徹底を図ってまいります。  なお、その他のご質問につきましては、技監及び関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監岡本堯生君登壇〕 ◯東京都技監(岡本堯生君) 都の施行工事から発生する残土の処理についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  都は、これまでも、建設残土再利用センターによる再利用の促進を図るほか、羽田空港沖合展開事業等への活用を進めております。  また、建設省及び近隣自治体などとともに設立した首都圏建設資源高度化センターなどを通じまして、建設残土の受け入れ地確保に努めてきたところでございます。  今後とも、適切な受け入れ地の拡大に努めるとともに、これらの受け入れ地への運搬を原則とする指針を策定することとしております。  次に、建設残土の受け入れ地確保等についてのお尋ねでございます。  今後、海上輸送による広域利用の推進を図っていくことが、受け入れ地確保の対策としても重要であると考えております。このため、平成四年度には、積み出し施設、海上輸送計画、運営方法等についての基本計画調査を行っているところでございます。  ご指摘のように、広域利用の実施に当たりましては、都と受け入れ側自治体とが協議を行うことを基本とし、その円滑な推進に努めてまいりたいと存じます。    〔清掃局長植野正明君登壇〕 ◯清掃局長(植野正明君) 清掃事業についてのご質問にお答え申し上げます。  初めに、清掃工場建設計画に関する新たな対応についてのお尋ねでございますが、現行の建設計画は、全量焼却体制の確立を目的といたしまして、平成三年十月に策定したものでございます。  現在、計画実現に向け、関係区を初め地域住民に協力をお願いしながら、全力を挙げて取り組んでいるところでございまして、この計画についての新たな対応は考えておりません。  次に、工場建設の執行体制についてのお尋ねでございます。  清掃工場建設計画につきましては、関係区及び関係機関等の協力を求めながら、その実現のために全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。  ごみ問題の解決は、都政の緊急かつ重要な課題でありますので、ご指摘の点も踏まえ、今後とも、より一層建設計画の達成に努力をしてまいる所存でございます。  次に、新海面処分場計画に関する地元対応についてのお尋ねでございます。
     新処分場の整備が全量焼却体制の確保を前提としていることは、ご指摘のとおりでございます。このため、自区内処理の原則を基本に、可燃ごみの全量焼却達成と安定焼却確保を目指し、現在、全力を挙げているところでございまして、この目標に向けて、成果を積み重ねていくことにより、地元区の理解と協力を得てまいりたいと考えております。  次に、産業廃棄物の都外での処分状況等についてのお尋ねでございますが、ご指摘のとおり、都内から排出される産業廃棄物のうち、最終処分量の三分の二が都外で処分されるなどの状況にかんがみ、廃棄物の減量、資源化を図ることが極めて重要であると認識しております。  都といたしましては、こうした観点から、事業者に対して、産業廃棄物処理計画に基づき指導に努めてまいりましたが、今後とも、中間処理施設の整備等により、減量、資源化を一層推進するよう、要請、指導してまいりたいと考えております。  次に、公共関与による中間処理施設整備の実現についてのお尋ねでございます。  産業廃棄物は、基本的には排出事業者に処理責任が課せられているところでございます。しかし、厳しさを増す都の産業廃棄物問題に適切に対処するためには、一定の公共関与が必要であると認識しております。  このため、平成四年十月に、学識経験者等から成る東京都産業廃棄物公共関与検討委員会を設置し、都としての関与のあり方について、現在検討をお願いしているところでございます。  今後、報告を受けた段階で、適切に対処してまいりたいと考えております。    〔水道局長今井裕隆君登壇〕 ◯水道局長(今井裕隆君) 水道工事現場における事故につきましてお答え申し上げます。  まず、地質調査で、なぜメタンガスの存在がわからなかったのかとのお尋ねでございますが、この工事では、東京ガス田の付近を工事するため、工事に先立ちまして、全工区にわたる地質調査を行い、ガス発生のおそれが少ない地層にトンネル位置を定めますとともに、ガス調査を二百メートル置きに十三カ所にわたって行いました。この結果では、メタンガス濃度は〇・一〇四%から〇・〇一〇%の範囲でございまして、メタンガスの爆発下限の値、五%に比べまして極めて低い濃度でございました。  次に、工事再開に当たりまして、どのような対策を考えているのかとのお尋ねでございます。  現在、所轄警察署を初め、関係機関が原因等について調査中でございますが、当局も技術調査委員会を設置いたしまして、原因の究明に全力を挙げて取り組んでおるところでございます。  安全対策の検討に当たりましては、ご指摘のメタンガスの漏えい、拡散防止並びに二次災害の防止を含めまして、安全性に万全を期した上で工事を再開したいと考えております。  なお、具体策につきましては、現在多角的に検討を進めておるところでございます。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) お答え申し上げます。  初めに、都営住宅の建てかえ時における単身高齢者向け住宅の建設についてのお尋ねでございます。  都営住宅の建てかえに当たっては、従来から居住水準の向上等を図る見地に立って、ファミリー向けの三DKを中心として、世帯構成に応じた多様な住宅の供給に努めてきたところでございます。  ご指摘のとおり、都営住宅の居住者についても、単身世帯を含め高齢者世帯が増大しており、建てかえに際して、これまで以上に積極的に型別供給を推進することが必要となってございます。  今後、世帯の人数等に応じた入居基準について検討するとともに、建てかえ事業の実施に当たっては、居住者世帯の意向を踏まえ、将来の家族構成や住宅のストック状況などをも勘案しながら、単身高齢者向け住宅の建設を検討してまいります。  次に、若年世帯への家賃助成についてのお尋ねでございます。  若年世帯に対する家賃助成は、人口の減少等が進んでいる区において、若年世帯の定住を促進し、人口の回復を図ることを目指して、新婚世帯を対象として試みられているものと理解をいたしております。  都は、これまでも、中堅所得者を対象とする借り上げ方式の都民住宅等における家賃対策助成の実施や、高齢者世帯等を対象とする住みかえ家賃助成事業居住継続支援事業など、家賃負担の軽減を図る各種の施策を講じてきたところでございます。  新婚世帯向けの家賃助成については、若年世帯の定住化の促進や居住水準の向上といった面での効果など、その実施状況を慎重に見守ってまいりたいと存じます。  以上でございます。    〔福祉局長檜垣正已君登壇〕 ◯福祉局長(檜垣正已君) 福祉関係のご質問にお答えいたします。  まず、福祉人材の養成計画と実施状況についてでございますが、ホームヘルパーなどの介護に携わる福祉人材の養成計画につきましては、平成三年度から十二年度までの十年間に、施設職員を一万二千六百人、ホームヘルパーを三万三千七百人、計四万六千三百人を養成することといたしております。  また、その養成につきましては、東京都福祉人材開発センターを中心に、区市の協力を得て行っておりまして、ほぼ計画どおり実施しているところでございます。  次に、福祉人材の確保、定着についてでございますが、都は従来から、社会福祉事業従事者の確保、定着を図るため、給与公私格差是正事業を初めとした勤務条件の改善のための都加算を行っているところでございます。さらに、平成五年度には、新たに、労災保険加算や勤務時間短縮のための都加算を行うこととしております。  福祉人材の確保、定着を図るためには、ご指摘のとおり、魅力ある職場づくりを進めることが重要であり、勤務条件の改善や福利厚生の充実につきましても、引き続き検討してまいりたいと存じます。    〔建設局長石川金治君登壇〕 ◯建設局長(石川金治君) 霊園問題からお答えいたします。  まず、都民の墓地需要にこたえるため、新しいタイプの都営の墓地を供給すべきではないかとのお尋ねでございますが、ご指摘のように、都民の切実な墓地需要にこたえ、供給量を拡大するために、現在、土地を効率的に利用した新しい形式の壁墓地を提供するとともに、新形式納骨堂の建設に努めているところであります。  今後、これらの墓地の建設を推進するとともに、さらに新しいタイプの墓地等についても検討してまいります。  次に、身寄りのない高齢の方々のための墓地も検討したらどうかとのお尋ねでございますが、こうした墓地の需要にこたえるためには、受け入れ方式や管理形態など解決すべき課題がございます。  今後、ご提案のような合葬形式の集合墓地や納骨堂などについて、これらの課題も含めて検討してまいります。  次は、河川の問題に移りまして、まず、江東内部河川の水位低下についてのお尋ねでございますが、これまでに、航路のしゅんせつや桟橋、係留ぐいの機能を確保するなど、必要な措置を講じてまいりました。近日中に水位低下を実施いたします。  今後も、より安全な航行の確保や水質の悪化を防止するために、引き続きしゅんせつを進めてまいります。  次に、今後の事業についてのお尋ねでございますが、現護岸とその前の矢板との間の帯状緑地は、現在河川管理用通路となっています。ここを遊歩道として利用できるよう、また、旧中川などの比較的川幅の広い河川では高水敷を、より身近に水辺と親しみ、触れ合える場となるよう、今後関係区とも協議し、積極的に整備促進を図ってまいります。  最後に、現況護岸の天端高切り下げについてのお尋ねでございます。  江東三角地帯の東側河川につきましては、水位低下により治水安全度がさらに向上いたしますので、高水敷の整備や修景を行った後、順次現況護岸の天端を切り下げて、都民が水辺に近づけるようにいたしたいと思います。       ━━━━━━━━ ◯六十八番(山崎孝明君) この際、議事進行の動議を提出いたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、散会されることを望みます。 ◯議長(小林かんじ君) お諮りいたします。  ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(小林かんじ君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。  明日は午後一時より会議を開きます。  念のため申し上げます。  ただいまご着席の方々には改めてご通知いたしませんから、さようご了承願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後七時二分散会...